ハマーン・カーンにシャア・アズナブル…『ガンダム』人気キャラたちの幼少期エピソード3選の画像
角川コミックス・エース『機動戦士ガンダムC.D.A 若き彗星の肖像』第1巻(KADOKAWA)

『ガンダム』シリーズの多くは、少年少女が戦争に巻き込まれることから、作品を通してキャラクターの成長にスポットが当てられることが多い。主要キャラクターにおいては、その幼少期まで掘り下げられ、過去と現在の比較から成長が表現されることもしばしば。今回はガンダム作品の中でも、とりわけ人気の高いキャラから、その幼少時代を紹介していく。

■カリスマ女帝にもあった可憐すぎる少女時代

 まずは『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』から、若かりし日のハマーン・カーンを紹介したい。本作は『機動戦士Zガンダム』などの作画監督である北爪宏幸氏が執筆した漫画作品で、14歳の少女であるハマーンを見ることができる。

 ハマーンがシャアに想いを寄せていたことは『機動戦士Zガンダム』でも明白だが、この作品では少女らしい想いの寄せ方が描写されているのだ。

 作中、シャワー中のハマーンはゼナ・ザビの死を自身の高いニュータイプ能力で感じ取ってしまう。人間の死を感じたことでパニックを起こしたハマーンは、バスローブ1枚で飛び出すと、シャアの元へ泣きながら駆け寄った。真っ先に想い人のシャアのところへ向かうあたりは、実に少女らしいと言える。

 この数年後、シャアに「お前は物の頼み方を知らないようだ」と嫌みを言うようになるキャラとは思えない。また、この当時の可憐なハマーンは、シャアのことをしっかりと「シャア大佐」と階級をつけて呼んでいる。

 そんな若かりし日のハマーンだが、芯の強さも垣間見られた。アクシズが地球連邦軍に攻撃された際、父マハラジャ・カーンは目的や敵の規模がわからないとして反撃に悩む。アクシズ内で不安が高まる中、ハマーンは「誰も闘わないなら、私1人でも闘う!」と攻撃を決断。兵士を鼓舞し、自らも戦場に立った。

 まだ14歳の少女だが、一方では女傑ハマーン・カーンへと変貌を遂げる兆しをこの当時から見せていたのだ。

■幼少期から覗かせていた「赤い彗星」の片鱗

 続けて紹介するのは『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』より、少年時代のシャア・アズナブルことキャスバル・レム・ダイクンだ。原案:矢立肇氏・富野由悠季氏、作画:安彦良和氏、メカニックデザイン:大河原邦男氏による同名漫画を映像化した作品で、第1話「青い瞳のキャスバル」では11歳のキャスバルの様子が描かれている。(『機動戦士ガンダム』本編とは設定が異なる部分がある)

 ムンゾ自治共和国議長であり思想家ジオン・ズム・ダイクンの息子であるキャスバルは、父ジオンがザビ家に暗殺されると、11歳という幼さで政争の渦に巻き込まれていった。普通の11歳であれば震え上がる状況だが、さすがはキャスバル坊や。後に「赤い彗星」と呼ばれる片鱗が随所に見られる。

 父を暗殺されたキャスバルは、ジオンの同志であるラル家にかくまわれていた。そこへ、父の仇であるザビ家の長女キシリア・ザビが訪れる。キャスバルはキシリアに折檻され、手錠をかけられると「あなたを罪人にして牢屋に入れることだって出来る」と脅しをかけられた。

 しかし、キャスバルにはすでにジオン・ズム・ダイクンの遺児である自覚が芽生えていた。キシリアに対し「キャスバル・レム・ダイクンが命令する。これを外せ」と強気に言い放ったのだ。これにはキシリアも、キャスバル恐るべしと話している。

 ガンダム作品において、多くのキャラクターに影響を与えたカリスマ、シャア。幼少時代から早くもそのカリスマ性が垣間見えていたのである。

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