■やり込み派のためのマリオ『スーパーマリオブラザーズ2』

 マリオシリーズの中でも最高難易度だとの声が多いのが『スーパーマリオブラザーズ2』だ。

 ディスクシステム用に発売された『スーパーマリオブラザーズ』の続編で、説明書には「もう1つのマリオの旅(パラレルワールド)を創ってみました」と書かれており、『スーマリ』を遊び尽くした人向けに作られたゲーム。そのため、難易度が高めに設定されていた。

 今作初登場の毒キノコは、自キャラが触れるとダメージを受けるうえに、アイテム扱いなので倒せない。そして、アイテムでパワーアップできるという希望を打ち砕くという、メンタル面でもフィジカル面でも恐ろしいキャラクターだ。

 スーパージャンプ台のギミックもいやらしい。ただでさえジャンプタイミングがシビアなジャンプ台が、画面外までマリオをジャンプさせられるようになったのだ。そのおかげで見えない画面外からの着地を強いられたり、風によって着地位置をずらされたりと、かなりシビアな難易度となっていた。

 他にも前のステージに戻されてしまう「逆ワープ土管」や、「空中ゲッソー」など、難易度を跳ね上げる仕掛けや新キャラがさまざま用意されていた同作。

 前述の通り『スーマリ』をやり込んだ人に向けて作られた高難易度マリオだが、ディスクシステムということでなかなか触れる機会がなく、後のスーファミ用ソフト『マリオコレクション』にてその難しさを味わったという人も多いのではないだろうか。

■強制スクロールで追い詰められる『スーパードンキーコング2』

 また難しさだけでなく、その不気味な世界観で子どもたちを震え上がらせたのがスーパーファミコン用ゲーム『スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー』だ。『スーパードンキーコング』シリーズは、スーパーファミコン時代にして、シリーズが進むごとに難易度が高くなっていくというストロングスタイルのシリーズである。

『魔界村』のような「死にゲー」とまでも行かないまでも、同作がトラウマゲームと名高いのはなんといってもスピードを求められるステージが与える恐怖演出。たとえば3-5「しずむナンパ船」は、どんどん沈んでいく朽ち果てた船が舞台で、水位が徐々に上がっていくジワジワ迫る恐怖と戦いながら進む。水中にはキバを生やした怪魚「スナップジョー」が待ち構えており、ひたすら逃げながら攻略しなければならない。BGMにまぎれて聞こえる風の音も怖かった。

 また6-6「どくどくタワー」も、迫り来る緑色の毒水からひたすら逃げなければならないストレス値の高いステージ。7-1「スクリーチレース」は、スーファミ屈指の美しいBGMの中、怪鳥との追いかけっこをしながら非常に細かい操作を求められるステージ。こうした「強制スクロール」の怖さと、美しいグラフィックで表現される不気味な世界観が『スーパードンキーコング2』の特徴。難易度的には続編『スーパードンキーコング3 謎のクレミス島』のほうがより難しくなっているが、子どもの頃に心臓をバクバクさせながらプレイをしたという人は多いだろう。

 他にも『トランスフォーマー コンボイの謎』や『忍者ハットリくん』『スペランカー』『ドルアーガの塔』などなど、理不尽なほどに厳しいゲームが、ファミコン&スーファミ時代には多く存在した。そんな、スルメのように味わいつつ歯を強く噛み締めたくなるような、高難易度のレトロゲームを楽しみたい。

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