1983年7月に誕生し、今年で40周年を迎える任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」。最近は懐かしのタイトルのリメイクやアーカイブでの配信などもあり、過去の名作を最新機種で遊ぶという人も増えているが、「ファミコン」「スーパーファミコン」時代のゲームというと、何かと“難易度”の高いソフトも珍しくない。あらためてプレイして、そのあまりのムズさに驚愕したという人も多いのではないだろうか。
限りある小遣いの中で購入したゲームをすぐにクリアできてしまうのも残念だが、アクションゲームではコントローラーを投げ出してしまいたくなるような理不尽なステージもしばしば。今のようにネットに上がっているプレイ動画を参考にするわけにもいかず、友だちと情報共有をしたり何度もやり込むことでなんとかクリアに挑むものの、結局諦めてしまったという苦い思い出があるゲームもあるはず。
そこで今回はそんなファミコン&スーファミ時代のゲームから、子どもたちに絶望を与えた名作をいくつか振り返りたい。
■移植されて難しくなった『魔界村』
まずは以前当サイトで「難しかったファミコンのゲーム」について行ったアンケートでも、第2位に名を連ねた、カプコンの横スクロールアクション『魔界村』。同作はもともとは1985年にアーケードで稼働したゲームで、1986年にファミコンに移植。主人公のアーサーが、さらわれたプリンセスの救出に向かうという内容だが、移植の際にグンと難易度が上がった作品でもある。
スペックの問題か画面がチラつき、またアーサーの動きがカクカクしていたりと、操作面が非常に難しい。今回記事を書くにあたって久しぶりにプレイしてみたが、ステージ1の初っ端から少し早めに歩くゾンビに対応できず、ステージ中盤に待ち構える「レッドアリーマー」に辿り着くまでに何度も全滅をしてしまった。
ファミコンの「ムズゲー」の代名詞ともいえる「レッドアリーマー」は、過去に培ったテクを思い出してバックステップを使った攻撃を駆使して撃破。ボスもなんとか倒すことができたが、続くステージ2が相変わらず難しすぎた。窓からあらわれる「プチデビル」も強敵だが、その先にあらわれる「大男」がとにかく厄介。「大男」は赤いパンツを履いたザコ敵だが、耐久値が高く攻撃を10発程度くらわせないと倒せない。ひたすら連打をするうちに、横からカラスが飛んでくるわ、上からは別の大男の攻撃が降ってくるわと、とにかく強い。
アーケード版『魔界村』では、攻撃直後にレバーを前に倒すことで動きがキャンセルされ、それによって即時攻撃を発射する「高速連射」が可能となっていたが、ファミコン版ではそれが使えない。そのため、「大男」のような耐久値の高い敵があらわると、一気に難易度が上がってしまうのだ。
当時子どもたちを苦しめた『魔界村』だが、その分クリアした際の達成感はすさまじいものがあるだろう。