ライラ、ケーラ、ミハル…『ガンダム』女性キャラたちに悲しき“死亡フラグ”が立った瞬間の画像
DVD『機動戦士Zガンダム Volume.3』

『ガンダム』の世界では、キャラクターたちが敵味方関係なしに容赦なく命を落としていく。その死の直前にはキャラクターの死を予感させる“死亡フラグ”が立っていることがほとんどだ。今回は『ガンダム』シリーズの中から厳選した死亡フラグを、女性のキャラクターに焦点を当てていくつか紹介していこうと思う。

■ジェリドの心に咲いた花「ライラ・ミラ・ライラ」

 まず紹介するのは『機動戦士Zガンダム』に登場する地球連邦軍の女性パイロット、ライラ・ミラ・ライラだ。

 卓越した戦闘技術と実戦経験を持つライラは、後にカミーユと幾度となく戦うことになるティターンズのパイロット、ジェリド・メサから師匠と尊敬される存在だ。そんな彼女の最期は意外にも早く、第7話「サイド1の脱出」にて描かれる。

 ティターンズの艦隊指揮官であるジャマイカンがアーガマの追撃に失敗したジェリドを責める発言をしたが、ライラがこれを庇うような発言をする。これにより軍人としての上下関係を超え2人の心の距離を縮めることとなった。

 その後のブリーフィングで、サイド1にエゥーゴの基地があると推測したライラは、自らのガルバルディ隊を率いての出撃を申し出る。ガルバルディに乗り込む直前、ジェリドから「今度会ったら、ゆっくり酒でも飲まないか?」と誘われ、「考えても良い」と含みを持たせたライラ。この後の「いい男になってくれれば、もたれかかって酒が飲める。それは良いものさ」というセリフは、大人の女性としての余裕や、気品を漂わせる見事な名言だった。

 しかしこの時点で少々不穏な空気が漂っていた。ガルバルディを起動しジェリドにカメラのフォーカスを当てて呟いた、「いい男になれる素質はあるんだよ、あんたには」という独り言が、ライラの死亡フラグが確信へと変わったシーンではないだろうか。

 最終的に同7話の後半でカミーユと戦闘の末、ニュータイプとしての片鱗を見せつけられあえなく撃墜されてしまう。ジェリドがカミーユを執拗に狙うのもわからなくはない。ジェリドとライラが添い遂げて、平穏な暮らしをしている姿も見てみたかったという人も多いのではないだろうか。

 ちなみに余談ではあるが、バラには「ライラ」という品種があり、そのライラの花言葉は「美しい」「上品」だそうだ。

■食べられなかったとっておきのサラダ「ケーラ・スゥ」

 続いては『機動戦士ガンダム−逆襲のシャア』に登場するケーラ・スゥを紹介しよう。

 ケーラは、アムロ・レイが所属する地球連邦軍の独立部隊ロンド・ベルに所属するパイロットで、メカニックのアストナージ・メドッソと恋人関係にあった存在だ。アムロから引き継いだリ・ガズィの整備が完了した際には「これで自分一人でシャアを叩き潰せる!」と喜んでいた。強気な一面を見せるケーラに対し、アストナージから「そういうのやめてください! 中尉にケガをされるのが心配で…」と愛に溢れる発言を受けていた。

 そんなケーラの死亡フラグは、地球へ向けて動き出す小惑星アクシズを止めるための出撃直前のシーン。ケーラの出撃をサポートしたアストナージが、発進直前にこう言うのだ。「ケーラ! とっておきのサラダ、作っておくからな!」

 残酷なことに、死地から帰還したらどうこうという発言を受けた人間が、無事に帰ってくることはほとんどない。アストナージの発言に対しケーラはまっすぐ前を見つめ微笑みながら、「愛してるよ」と一言だけ返す。先の展開が読めている視聴者にとっては、なんとも胸が締め付けられるシーンだ。

 しかしアストナージは、そんな究極の「愛してるよ」に対し「なんて言った?」と見事に聞き逃してしまうのである。視聴者からしてみれば信じがたいアストナージの発言に、まさしく「なんて言った?」という感じだが、激しい戦闘が繰り広げられる戦場においては、愛のこもった発言を聞き逃すなどよくあることなのかもしれない。

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