漫画家は若くしてデビューする人物が多い。少年誌、そして少女誌の読者がペンを持ち、そのまま若くして才能を開花させるというケースもあり、雑誌の漫画賞コーナーを見るとわずか10代にして受賞ということもザラにあるようだ。そこで今回は、10代でデビューした「才能開花が早すぎる!」と思わずうなってしまうスゴすぎる人気漫画家たちを紹介したい。
まずは、『天使なんかじゃない』『ご近所物語』『NANA』など、ファッション性の高いオシャレな作風で読者の心を掴んできた矢沢あい氏。女性に限らず男性のファンも多く、さらにその年代も幅広い矢沢作品だが、彼女は10代の頃から『りぼん』への作品投稿を続け、誌面デビューは1985年の『りぼんオリジナル早春の号』(集英社)に掲載された『あの夏』という作品で、当時18歳だった。矢沢氏が頭角を表してきたのは1989年連載開始の『マリンブルーの風に抱かれて』の頃からで、以降『天使なんかじゃない』『ご近所物語』『下弦の月』『NANA』と立て続けにヒットを飛ばしている。
そしてそんな矢沢氏が「昔から今も尊敬している」と評価しているのが、1979年に『別冊マーガレット』7月号(集英社)にて『マギー』でデビューしたいくえみ綾氏。矢沢氏はいくえみ氏の作品について読売新聞のインタビューで「見せ方が映画的で、さりげない演出力が神レベル」とリスペクトを送っている。
いくえみ氏はデビュー当時、なんと14歳の中学3年生当時だったという。現在漫画家生活は40年以上になるが、『潔く柔く』『プリンシパル』が実写映画化、『あなたのことはそれほど』『G線上のあなたと私』『いとしのニーナ』がテレビドラマ化されるなど、常に少女漫画の第一線を走ってきた漫画家だ。
このほか、同じく集英社の人気少女漫画家として若くにデビューしたのは1979年、高校2年生のときに『心にそっとささやいて』で『りぼん』デビューした、『姫ちゃんのリボン』で知られる水沢めぐみ氏(当時16歳)や、1996年、『りぼんオリジナル』に掲載された『2番目の恋のかたち』でデビューした『神風怪盗ジャンヌ』『満月をさがして』などで知られる種村有菜氏(当時18歳)。集英社はキラリと輝くダイヤの原石の若手を見つけ出すのが得意なのかもしれない。