■高校在学中にデビューした少年漫画家たち
もちろん少年漫画家にも、若くしてデビューした早咲きの漫画家はいる。
『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』など圧倒的な筆致で読者を魅了する小畑健氏はその例。小畑氏は1985年に『500光年の神話』で手塚賞準入選しており、1986年の高校2年時に投稿し佳作入賞した『CYBORGじいちゃんG』を2度の読切掲載を挟んだのちに1989年から連載デビューさせている。非常に早熟な作家といえるだろう(当時は土方茂名義)。
また『キン肉マン』で知られる漫画ユニット・ゆでたまごの嶋田隆司氏と中井義則氏は、小学校のときに出会い意気投合。高校卒業までにデビューをするという目標を掲げ、実際に高校3年時のそれぞれ17歳と18歳のときに『キン肉マン』でデビューを果たした。現在も『週刊プレイボーイ』で最新シリーズが連載中の同作。デビュー作がここまで長く愛されるヒット作になるとは、なかなか稀有なことだろう。
このほかにも、1996年には『BLEACH』で知られる当時18歳の久保帯人氏がデビューしている。このときの作品はデビュー作ながら読者アンケートで6位を獲得しており、「オシャレさ」が高く評価されている久保氏のセンスの高さは当時から備わっていたことがうかがえる。
また『聖☆おにいさん』『荒川アンダーザブリッジ』を代表作にもつ中村光氏は2001年、16歳のときに『月刊ガンガンWING』(スクウェア・エニックス)に掲載された『海里の陶』でデビューしている。才能あふれる作家の名前を挙げると枚挙にいとまがない。
ではもっとも若くデビューした漫画家は誰だろう。それは13歳のときに『別冊マーガレット』に投稿した『番長くんはごきげんななめ』で誌面デビューを飾ったきたがわ翔。その5年後からは活動の場を男性誌に移し、コンプレックスをテーマにしたオムニバス『C』やドラマ化もされた『ホットマン』などのヒットを叩き出している。圧倒的な画力で繊細な物語を描くきたがわ氏。その才能が13歳にして早くも開花していたということに驚きだ。
10代でデビューし人気漫画家となっていった作家たち。その才能がうらやましい!