アッガイにアッグガイ、ザメルも…派手さはないが個性派ぞろい!『ガンダム』作品に登場した“茶色いモビルスーツ”の魅力の画像
バンダイのプラモデル「アッグガイ」1/144スケール (C)創通・サンライズ
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 長い歴史を持ち、無数のモビルスーツが登場する『ガンダム』シリーズ。ファンの間で自身の好きなモビルスーツについて語るのも『ガンダム』の楽しみ方の一つだ。そんな時、メインキャラが駆る華やかでカッコいいモビルスーツにばかり注目が集まりがちだが、派手さはなくとも個性的な魅力を持った“茶色いモビルスーツ”の魅力についても知っておいてもらいたい。

 今回は、ガンダム作品の中でも「宇宙世紀」シリーズに登場した茶色いモビルスーツから3機をチョイス。その魅力についてお届けしよう。

■ガンダム界のアイドル的モビルスーツ「アッガイ」

 まず紹介したいのは『機動戦士ガンダム』第30話にて初登場した「アッガイ」だ。

 アッガイは低コストな水陸両用モビルスーツとして量産され、地球連邦軍の本部であるジャブローへの潜入作戦に投入された。劇中での輝かしい功績こそ無いものの、今となっては『ガンダム』シリーズにおけるマスコットキャラ的な立ち位置として愛されているのをご存じだろうか?

 まず注目したいのはその独特のデザインだ。4頭身ほどのフォルムに丸みを帯びたむっちりボディ。一度ひざを曲げようものならコテンと後ろに倒れてしまいそうだが、劇場版『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』のパンフレットに体育座りで隠れるアッガイが描かれたのがきっかけとなり、“体育座りアッガイ”はその後さまざまなグッズで再現された。近年は、女性からも「かわいい」と人気が高いモビルスーツである。

 ユニークなボディに加えて、楕円形につぶれたその頭は、スキマからたっぷりのあんこを覗かせたどら焼きのようにも見える。あるいはガンダム好きな彼にプレゼントするチョコレートとしても、バレンタインの時期に活躍しそうだ。

 そんなアッガイは『ガンダム』の人気対戦ゲーム、『VS.』シリーズにプレイヤーキャラクターとしても登場している。そこで見せる地上を猛スピードで駆け回る姿や、短い手足で他のモビルスーツを殴る姿などは、まるで子供の喧嘩を観ているようで微笑ましくもあるので機会があればぜひ見てみてほしい。

■奇妙なデザインとは裏腹に職人肌の「アッグガイ」

 続いては『機動戦士ガンダムZZ』に登場した「アッグガイ」を紹介しよう。

 アッグガイは前述のアッガイと同時期に設計されており、後にアッグ・ジュアッグ・アッグガイの3機で「アッグシリーズ」と通称されるジオン軍のモビルスーツである。

 このモビルスーツで一番最初に目につくのは間違いなくその特徴的な頭部だろう。アッガイよりも横に薄く伸ばされた頭部と、もはやここが弱点だと言わんばかりの複眼型の巨大なモノアイは、対峙した人間を一瞬困惑させること間違いなしだ。

 真っ先にそのメインカメラを狙われる恐れがあるにも関わらず、搭載されている装備は頭部のバルカン砲と両手に2本ずつ搭載されたヒート・ロッドのみなのである。遠距離武器がバルカン砲だけでは頼りないとは言わないが、自身の攻撃の射程外からビーム兵器に狙われたらおしまいなのではと思ってしまう。

 しかしそんなアッグガイには、アウトボクサーに立ち向かうインファイトボクサーのようなロマンを感じずにはいられない。元々接近戦に特化したモビルスーツであるためその運動性能は高く、4本のヒートロッドをなびかせながら急接近してきたら恐怖でしかないだろう。戦闘においての決め手こそないものの、もしこのアッグガイにエースパイロットが搭乗していたならば、敵モビルスーツを次々と鹵獲する職人のような働きが見れたかもしれない。

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