■作者馴染みの地名から名付けられたキャラたち
作者に馴染みのある地域から名づける例は少なくないようで、岩手県出身で、宮城県に在住していた古舘春一氏によるバレー漫画『ハイキュー!!』は宮城県が物語の舞台となっているが、作中に登場する伊達工業高校や青葉城西、白鳥沢学園高校などライバル校の選手の名前の多くは、東北地方に実際にある温泉地から名づけられている。
地図を見比べてみると、学校ごとに意外とキャラの名前と同じ名の温泉地が密集しており、聖地巡りの感覚で旅行に出てみると楽しいかもしれない。
そして、あfろ氏による女子高生のキャンプの様子を描いた『ゆるキャン△』では、東海地方を由来とした名前のキャラが多い。主人公の志摩リンは三重県志摩市から、各務原なでしこは岐阜県各務原市からつけられており、このほかにも「大垣千明(岐阜県大垣市)」、「犬山あおい(愛知県犬山市)」、「鳥羽美波(三重県鳥羽市)」など、東海地方の人が耳にすると「おっ」となりそうなラインナップだ。
この名づけの理由として、あfろ氏は新聞の特集記事で「主人公2人の名前を長い名前と短い名前にしようと思い、以前に住んでいたことのある岐阜県とその周辺の地名がしっくりきたので、他のキャラクターもその辺りの地名でそろえることにしました」と語っている。
由来を知ると、作者の心に少し近づけた気がして、漫画がもっと身近なものに感じられる。また、「聖地」としてモデルとなった土地に足を運ぶのも楽しそうだ。あなたが住む街の名前も、どこかでキャラクターの名前として存在しているかも?