『ワルキューレの冒険』『デジタル・デビル物語 女神転生』……80年代、ファミコンで燃えさせてくれた“ナムコが誇る名作RPG”3選の画像
ファミコン『デジタル・デビル物語 女神転生』(編集部撮影)
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 1980年代のファミコン全盛期に、たくさんの面白いゲームを世に出してくれたのがナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)だ。代表作の『ゼビウス』『ファミスタ』をはじめ、本当にヒットメーカーだったと思う。

 そんなナムコだが、RPGにも筆者を燃えさせてくれた名作が揃っている。今回は『ドラクエ』や『FF』といった超大作シリーズにも負けていない、ナムコの誇る“名作RPG”3選を紹介しよう。

■ストーリーを理解するのは難しかったが面白かった『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』

 まずは、1986年に発売されたアクションRPGの『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』だ。『ドラゴンクエスト1』の発売から遅れること3カ月ほどだったが、可愛らしい主人公・ワルキューレが剣と盾を構えている凛としたパッケージに胸が高まったものだ。

 しかし、このゲームはいきなり難易度が高い。冒険が始まるとすぐにフィールドに放り出され、敵キャラに囲まれるという展開が待っている。訳も分からず逃げ回ってボタンを連打したが、さすがにちょっと困ったものだった。

 隠しアイテムがフィールド上にあるのだが、何の情報もないのでまず見つけられない。また、斧を装備すると木を切り倒して進むことができるが、耐久性で使用回数があり、いつ壊れるのかも不明だった。

 さらに突如現れる敵キャラは、一斉にワルキューレを狙い撃ちにくる。序盤から飛び道具で攻撃してくるので、何回も死んでしまったなあ。

 宿に泊まらないとレベルアップできないというのは今では驚きの設定かもしれないが、当時はそんなに不思議でもなかった。情報がないからこそ必死にフィールド上を細かく調べ上げていき、偶然隠しアイテムを発見したときは、とても感動したことを覚えている。

 そういえば、『ドラクエ』よりも先に船に乗れたな。村人との会話もなく淡々と進むゲームなのだが、それだけに自分で想像しながら遊んでいたものだ。

 ストーリー性を理解するのは難しかったが、剣と魔法をボタンで区別し、常にアイテムを見える位置に表示してくれていたのは初心者にも優しく、慣れてくれば誰でも楽しめるシステムだった。

 それにしても、主人公が女の子で、その名前が「ワルキューレ」。80年代のクリエイターたちはセンスが素晴らしいものだ。

■モンスター合体! 現代っ子が悪魔に挑む斬新なRPG『デジタル・デビル物語 女神転生』

 次は、1987年に発売された3DダンジョンRPGの『デジタル・デビル物語 女神転生』だ。これは、西谷史氏の伝奇SF小説『デジタル・デビル・ストーリー』が原作となっている。

 高校生である主人公・ナカジマとパートナーのユミコを操作する本作は“現代の高校生が悪魔と戦う”という設定自体が斬新だった。そう、“勇者”などではないのだ。

 また、このゲームは悪魔を味方にできるのも素晴らしいアイデアだった。「マッカ」と呼ばれる魔界専用の通貨やエネルギーと交換することで、仲間(仲魔)になってくれる。

 モノに釣られるなんて間抜けなヤツめ……なんて思えないほど、彼らがいないとクリアなんてできなかった。しかも悪魔たちは合体させることができるので、当時はワクワクしながら遊んだものだった。

 そういえば序盤だったかな……メデューサが登場してきたときは怖かった。目が光る演出がされていて、少しトラウマになった記憶がある……。

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