バスケットボール漫画の金字塔、井上雄彦氏の『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』。現在は映画『ＴＨＥ ＦＩＲＳＴ ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』が、大ヒット上映中だ。
本作で読者をとくに熱くさせたのは、物語終盤で描かれた山王工業高校との試合だろう。高校バスケ界の頂点に立つ山王には数々の名プレイヤーが揃っているが、なかでもセンターの河田雅史は、“大学界のセンターでもベスト３に入る”と言われる逸材だ。高校入学後１年間で２５センチも伸びた身長に伴い、ガード、フォワード、センターとすべてのポジションを経験してきた河田は、幅広いプレイを持ち味とした最強のセンターである。
今回はプレイ面でも精神面でも“超高校級”の山王・河田雅史に焦点を当て、そのカッコ良すぎる行動の数々を紹介していく。
■弟をカバーしながらも見せる余裕
河田のマークについた湘北高校・赤木剛憲は、神奈川屈指のセンターだ。にもかかわらず、河田は試合中にその赤木を相手にしながら、弟の美紀男にも常に目を配る余裕ぶりを見せている。
美紀男に逐一指示を出したり、外したシュートをゴールに押しこんだり……と、弟の世話を焼きながらマークされる赤木は、まるで片手間扱いだ。
赤木から「いいのか？弟の方ばかり気にしていて…」「そんな余裕はねえだろ 河田」と挑発されても、「あるよ？」と平然と返したうえ、「もっと 全力でぶつかれよ赤木」とカウンターをかますほど。
実際その後、圧倒的な実力差を見せつけられた赤木は、河田相手に完全に委縮してしまう。口だけでなく実力も伴っているのが、河田のカッコいいところだ。
■チームメイトもすかさずフォロー
体力の限界にきてブツブツ不気味なことをつぶやく湘北のシューター・三井寿に、マークについた山王・松本稔は動揺を隠しきれない。しかし河田は冷静に周囲を観察し、三井をフリーにするためスクリーンをかけようとする赤木の動きを察すると、すかさず「スクリーン‼」と松本に知らせた。
また、フラフラの状態でなぜか３Ｐを決め続ける三井に松本が翻弄されているのを見て、「気にすんな松本 うたせろ うたせろ」「どーせこれ以上は続かん」とフォローを入れるなど、メンタルケアも抜かりない。弟だけでなくコート全体に目を配り、あらゆる角度からチームメイトにフォローを入れる姿は、まさにチームの大黒柱だ。
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