■寝入りが早いまる子に鋭いツッコミ「のろまのくせに寝つきだけはいちはやい」
せっかくの夏休みに早起きをし、ラジオ体操へ行くのを嫌がるまる子。マイペースでぐうたらなところが彼女のいいところでもあるのだが、それがアダとなり遅刻することに……。
そのあと彼女はウトウトとお昼寝をするのだが、そんなまる子に“天の声”は「のろまのくせに寝つきだけはいちはやい」と、すかさずツッコミを入れている。
さくらさん自身が自分の投影である“まる子”にバシバシとツッコむ様子が本作の見どころでもあるが、このように何気ない日常の1コマにも鋭いツッコミがあることで、より印象深いエピソードになっていると思う。
■無邪気なはまじに冷静な一言「番組の尺が30分だからである」
まる子のクラスメイト・はまじは、無邪気な男の子。ある日彼は悪者を短時間で倒すヒーローに感動し「たった30分で悪者を倒す正義のヒーローは強い」と、喜んでいた。
そんな彼に対して「番組の尺が30分だからである」と、冷静すぎる名ツッコミを入れる“天の声”。
テレビ番組は尺が決まっており、それに収まるように制作されているのは周知の事実ではあるとはいえ、無邪気に喜んでいるはまじの姿を思うとなんとも厳しい……。まる子をはじめ、子どもに対しても容赦ないツッコミを入れるのは、本作ならではのお家芸のようなものだろう。
そこに作者さくらさんのぬくもりを感じるからこそ、視聴者はクスリとしてしまい、作品をより楽しめるのかもしれない。
本作に登場する“天の声”は、クセになるツッコミで人気を博した。アニメで“天の声”を担当したキートン山田は、2021年3月放送の「ある春の一日」が最後の出演となり、現在は木村匡也(本作では「きむらきょうや」名義)にバトンが渡され、変わらぬ的を射たツッコミで視聴者を楽しませている。
キャラの奇想天外な行動やセリフを引き立ててくれる“天の声”のツッコミ。あらためて“天の声”のツッコミに注目しながら『ちびまる子ちゃん』を楽しんでみてはいかがだろうか。