■あらゆる戦況を覆していく“秦の怪鳥”！『キングダム』王騎
２００６年より『週刊ヤングジャンプ』（集英社）で連載されている、原泰久氏の『キングダム』。古代中国の春秋戦国時代を舞台とした騒乱のなか、“天下の大将軍”を目指す少年・信の成長劇が描かれている。
数多くの実力者が登場するなか、作中で大きなインパクトを残したのが、“六大将軍”最後の生き残りである猛将・王騎である。
分厚い唇と三つに分かれたひげが特徴で、丁寧語を使うものの、どこかオネエっぽさが見え隠れする喋り方が印象的である。笑い方も「ココココ」「ンフフ」「ンォフゥ」など、実に癖が強い。
どこか変人めいた言動が目立つ彼だが、将軍としての実力は折り紙付き。鳥のように戦場に飛来してはことごとく戦況を覆し勝利を手にする姿から“秦の怪鳥”と呼ばれ、畏怖されている。
個人の武力だけでなく知略にも長け、かつ周囲を惹きつける強烈なカリスマ性も兼ね備えているなど、将軍として“完璧”といえる王騎。その圧倒的な強さと存在感ゆえ、読者にも高い人気を誇るキャラクターとなっている。
また、彼は作中で信のことを“童信（わらべ しん）”と呼び助言を与えるなど、信のなかに若き才能を見出し、期待をする描写も見られた。最終的に彼が持つ矛は信へと託され、武将としての熱い思いも、受け継がれていくこととなる。
どこか変人に見える一方で、癖の強いディティールがまるで気にならないほどの、圧倒的実力で活躍したキャラクターだ。主人公の成長にも大きくかかわっており、『キングダム』という作品を語るうえでは、外すことのできない重要な人物である。
キャラクターたちのインパクト大な見た目や、常軌を逸した突拍子もない言動は、読者や視聴者の心に強烈な印象を与えてくれる。しかし、奇人・変人に見えてどのキャラも信念やプライド、そして高い実力を持っており、良い意味で我々の予想を裏切ってくれること、間違いなしだろう。
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