『BLEACH』の涅マユリに『ジョジョ』の岸辺露伴も…奇人・変人に見えるけど…実は“正義の味方”として活躍したキャラクター3選の画像
『BLEACH』破面・VS.死神篇 3 [DVD](アニプレックス)

 漫画にはあまりにも突き抜けた個性から“奇人・変人”の類に見えてしまう、強烈なキャラクターたちが数多く登場する。しかし、それでいてしっかりとした心意気を持っていたり、ブレることがない芯を持つ姿は、強烈なギャップとして我々の心を惹きつける。

 今回は、一見“癖の強い敵”と思いきや、実は味方として頼もしい活躍をしたキャラクターたちを紹介していこう。

■邪悪に見えても心強い…“マッドサイエンティスト”!?『BLEACH』涅マユリ

 2001年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された、久保帯人氏によるバトル漫画『BLEACH』は、この世とは異なる“死神”の世界を描いた作品だが、作中に登場する死神の多くが“護廷十三隊”と呼ばれる組織に所属している。その十二番隊の隊長を務めるのが、実に癖の強い死神・涅マユリである。

 面妖な黒い化粧をした姿もインパクト大だが、彼を語るうえで外せないのは、強い好奇心から倫理観を無視して行動する“マッドサイエンティスト”だということだ。

 登場初期は主人公・黒崎一護らを阻む敵として登場し、対象が死ぬまで人体実験を繰り返したり、人間爆弾に改造した部下をけしかけるといった凶行が目立つ。読者や視聴者にも、冷酷非道かつ残虐な性格をこれでもかと見せつけた。

 見るからに悪役……な彼だったが、物語が進むにつれその見え方が絶妙に変化してくる。研究や実験を繰り返していたのも、実はありとあらゆる手段を用いて死に神たちの居住区である「瀞霊廷」を守ろうとしていたがゆえであり、隊長としての意識の高さは人一倍高いことがうかがえる。

 また、利害の一致から共闘した際は卓越した戦術眼も披露。相手の奥の手や隠し玉をことごとく看破してしまう姿は、護廷十三隊の隊長を務める者としての力量を感じさせた。

 どこか外道に見えるものの、物語が進むごとに徐々に憎めない部分が目立つようにもなり、奇抜かつころころ変わる見た目からもひそかにファンが多い、強烈なキャラクターである。

■漫画家が求めるのは究極の“リアリティ”!『ジョジョの奇妙な冒険』岸辺露伴

 1986年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載が始まった、荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』には数多くのキャラクターたちが登場するが、なかでも第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場する個性的なキャラクターといえば、やはり岸辺露伴だ。

 彼は主人公・東方仗助と同じ町に住む“スタンド使い”の一人で、若くして前線で活躍する大人気漫画家である。

 岸辺は身につけたスタンド「ヘブンズ・ドアー(天国への扉)」の能力により、“対象を本にし、記憶を読む”ことで漫画のネタを収集していた。これは、“漫画に必要なものはリアリティである”という信念からの行動でもある。

 登場当初は奇行も多く、リアリティのために蜘蛛を解剖して内蔵の位置を確かめたり、それを舐めて味を確認するなど、見る者を驚愕させていた。さらには“スタンド使い”の少年・広瀬康一を漫画執筆のための“参考資料”として利用したり、それが原因で叩きのめされても“良い体験をした”と、ボロボロになりながらメモを取るなど、徹頭徹尾“リアリティ”のためだけに行動する、なんとも奇妙な人物である。

 しかし、これらはすべて彼が漫画家として高い矜持を抱くがゆえの行動で、偏屈に見えても根の部分では正義感に溢れている。主人公らに敗北してからはともに行動することも多くなり、自身のスタンドを駆使し、たびたび仲間たちをサポートしていた。

 また、スピンオフ作品である『岸辺露伴は動かない』では主人公を務め、なんだかんだ言いながらも、数々の難事件を解決していく姿は実に頼もしい。唯我独尊を地でいくキャラクターでありながら、“漫画家”としての芯を決して曲げない実に面白いキャラクターだ。

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