■新時代の幕開けを感じた『ファイナルファンタジーVII』
最後に紹介したいのが、1997年にプレイステーション(以下PS)で発売された『ファイナルファンタジーVII』(以下FF7)だ。
前作まではSFCで発売されていたため、ドット絵から3DポリゴンになったキャラクターとCGを用いたグラフィックが当時大きな話題に。世界中のゲームファンから注目を集めたそのオープニングは、トップレベルと言って過言ではないものだった。
幻想的なBGMと背景の中からメインキャラ「エアリス」が立ち上がり、ズームアウトしながら巨大都市「ミッドガル」の全容が見え、FF7のロゴが表示される。そして荘厳な印象から一転、その余韻を感じさせる暇なく曲が変調し、列車からの襲撃シーン、そして戦闘へと矢継ぎ早につながっていく。
ここまででゲーム起動からわずか3分程度。それまでのRPGのように会話を進めたり街で準備をしたりといったゆったりとした導入とは違い、プレイヤーは状況も分からないまま、映画さながらの緊張感で物語に放り出されるのだ。
操作可能になってからも魔晄炉を爆破するという緊迫した状況から始まるため、プレイヤーのテンションも最高潮の状態で楽しむことができた。今でこそ珍しくない手法ではあるが、FF7はそのパイオニア的存在と言えるだろう。
2020年にはフルリメイクの第1作目『ファイナルファンタジーVII リメイク』が発売され、さらに進化したグラフィックやプレイフィールに大きな反響があったのは記憶に新しい。来冬にはリメイク2作目『ファイナルファンタジーVII リバース』の発売が予定されているため、まだ触れたことがない方も2回目以降だという方も今のうちにFF7の世界に触れてみてはいかがだろうか。オリジナル版とリメイク版のオープニングを比較してみるのも面白いだろう。
以上、名作RPGのオープニングを改めて振り返ってみた。どのような名作だろうと、導入部分でプレイヤーを引き込むことは何より重要なことだろう。未体験の方は遊んでもらってこの作品への想いを共感していただければ幸いだ。