■“勝ち”を意識した晴子に友達2人から無言のツッコミ
“高校最強”と謳われる、高校王者・山王工業と対戦することになった湘北。
「まずは先制攻撃」と指示した安西先生の作戦通り、桜木・宮城による“奇襲”が成功。そして、三井による連続スリーポイントシュートや赤木によるゴリラダンクも決まり、良い流れで試合が進んでいた湘北。
観客席で応援をしていた赤木の妹・晴子はゲームの流れもツキも湘北にある状況を見て「もしかしたら……インターハイ3連覇中の山王工業に…」と言いかけてやめる。横にいた晴子の友達・藤井が、その言葉を続けるように「勝……」と言おうとすると、晴子は藤井の口を塞ぎ「ダメよその先は!!」「変に意識しちゃだめ…!」「今は無心で挑んでるはずだから………!!」と、プレッシャーをかけまいと黙っておおらかに試合を見守る様子を見せた。
だが、そのすぐあと。日本一のプレイヤーと称される沢北栄治を抜き、エース・流川がド派手なダンクを決めたのを見て、「か……」「勝てるかも…!!」と、つい口をついて出てしまう晴子。
これに対して、「…………」と無言でツッコむ友達の藤井と松井。晴子の天然でお茶目な一面が描かれているとともに、応援している人の期待やワクワクがおおいに伝わってくる。
ちなみに、この藤井と松井は作中でたびたび登場している。しかし、思えばわざわざインターハイにまで応援に来てくれるなんて、よほどのバスケ好きか、友達思いでしかない。今後、晴子に続き、バスケ部マネージャーになってくれたり?なんて思ってしまった。
『SLAM DUNK』では、こういった細かいコミカルな描写が多々ある。読み返すたびに、新たな発見があるのも面白い。
『THE FIRST SLAM DUNK』では、こういった描写はどのように再現されているのだろうか。それを楽しみに映画館に足を運んでみたい。