TVシリーズ初の女性主人公であることで注目された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、第1クールの最終回が“鬱展開”で終わったことが話題になった。しかし、数々の作品が生み出され40年以上に渡って多くのファンを魅了しているガンダムシリーズにおいて、今作のような“鬱展開”は決して珍しくない。
中でも、1993年に放送が開始された『機動戦士Vガンダム』は群を抜いて「鬱アニメ」「トラウマアニメ」と呼ばれることが多い。今回は『機動戦士Vガンダム』から印象的なトラウマシーンを紹介する。
■見開いた目、猿ぐつわ、そしてギロチン
最初に紹介するのは第7話『ギロチンの音』から。リガ・ミリティア、カミオン隊のリーダーであるオイ・ニュング伯爵は、ザンスカール帝国のファラ・グリフォンに捕らえられ尋問を受ける。
口には猿ぐつわを装着され、目は器具によって無理やり見開かされていた。(ルドヴィコ療法という洗脳方法のようだが詳細な描写はない)
そのニュング伯爵、ギロチンによって首を落とされ絶命するシーンで終了する。直接的な残虐シーンはないものの、当時夕方5時から放送していたアニメだけに、トラウマを植え付けられた子供もいたかもしれない。
■母のヘルメットを持ち呟くウッソの悲痛
第36話『母よ大地にかえれ』では、主人公ウッソ・エヴィンの母親ミューラ・ミゲルが戦死する。ザンスカール帝国に人質として捕らわれていたミューラはモビルスーツ(MS)ゾリディアの手に握られたまま戦闘状態に。
だが、そのゾリディアは巡洋艦リシテアにミューラもろとも圧し潰されてしまう。戦死した母ミューラの首の入ったヘルメットを持ったウッソが、「母さんです」と呟くシーンはあまりにも悲惨なシーンだ。
血だらけのヘルメットと、打ちひしがれるウッソの「なんでもう少し早く戦争を終わりに……」という一言で終わるこのエピソード。戦争の恐ろしさを表現したトラウマ回と言える。