■「誰も死ななくていいやさしいRPG」の真の顔がそこにある!

 最後に、昨今のインディーゲーム隆盛の代名詞ともいえるRPG『UNDERTALE』を挙げたい。

 2015年にWindows・Mac向けに発売された『UNDERTALE』は、「誰も死ななくていいやさしいRPG」というキャッチフレーズからも分かるように、比較的難易度は低く、本記事の趣旨とは一見無縁にも思えるが、いくつかのルート分岐があり、中でも「Gルート」と呼ばれる分岐に関してはとにかく別格。難しすぎて詰んでしまっても仕方がないかもしれない。

 ネタバレになるためルートの詳細などは控えるが、中盤の山場となる「ふじみのアンダイン」戦は正攻法での戦い方しか存在せず、かつ他ルートのラスボスより強く、10数種類以上に及ぶ攻撃パターンを覚えておく必要もあり、初見で突破することはまず不可能だろう。

 そしてラスボス戦もまた、シナリオの展開とも相まって戦闘がとにかくエグいことこの上ない。全体を通して、いわゆる「死んで覚える」ことが大前提ながら、回復アイテムはできる限り温存しておく必要があることや装備を忘れず回収しておくことなど、RPGを攻略するための基本を思い出させてくれる。もちろん、その後に迎えるエンディングも、本作が名作と言われる理由があらためて体感できるので、本作をプレイする機会があれば、ぜひGルートまでクリアしていただきたい。


 以上、攻略が難しすぎて詰んでしまう「超難易度」シーンを持つゲームでも、さまざまなタイプがあるということの一端を、3つの実例に沿って紹介してきた。一見して「これはもしかして詰んでしまったのでは……?」と思ったとしても、そこで終わりというわけではない。何度も繰り返して経験することで新たな攻略方法を模索したりする過程もまたゲームの楽しみのひとつであり、その末にもし見事「詰み」を打開できたならば、クリアできた喜びは一層格別なものになるだろう。ある意味ではそれは、ゲームの開発者とプレイヤーとの真剣勝負の場でもあるのだ。

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