漫画やアニメにはさまざまな魅力的なキャラクターが登場する。成長や努力の過程を応援したくなる場合もあれば、単純に「このキャラの見た目が好き」という場合もあるだろう。
漫画やアニメという表現において外見は一番わかりやすい魅力の要素で、その髪型や服装が、彼らのチャームポイントとなることもある。だからこそ、作中で彼らの見た目がイメチェンされるということがあれば、それはともすれば彼らのアイデンティティを失いかねない諸刃の剣となるのだ。
今回は、作中で髪型や髪色が変わってもなお、好評を集めた男性キャラクターを紹介したい。なお今回は『ドラゴンボール』のスーパーサイヤ人のように変化が一過性のものではないキャラに注目した。
■髪型の変化は決意のあらわれ
まず、作中で髪型が変わるキャラクターとしてもっとも有名なのはバスケ漫画『SLAM DUNK』の桜木花道だろう。
桜木は物語開始当初、赤い髪をリーゼントにしたいかにも不良らしいキャラだった。それが、海南大附属戦で赤木と敵の選手を見間違えてパスを渡してしまうというミスをおかし、結果これで敗戦を味わってしまう。そのことに責任を感じた桜木は、翌々日に頭を丸めてチームメンバーの前に姿を現したのだ。
スポーツマンらしさを感じる桜木の決意には読者も心を打たれたようだ。なお、物語が進んでいくにつれこの坊主頭は徐々に伸びてきている。月日の変化をこうしたかたちで感じられるのも、なかなか粋なものだ。
同じく同作に登場する人気キャラ・三井寿も作中でロン毛をバッサリ切った。中学時代からバスケで栄光を掴んでいたものの、怪我をして挫折し不良になっていた三井は安西先生に「バスケがしたい」という本音を告白し心を入れ替え断髪した。
桜木にしろ三井にしろ元々の髪型も人気だったものの、それぞれの出来事を機に行った決意を感じる断髪には、読者も応援したくなる魅力があふれていた。
また『週刊少年マガジン』連載のバスケ漫画『あひるの空』にも断髪キャラが。バスケ部主将の花園百春は初登場時は金髪のリーゼントだったが、部室が火事になった際に、責任を感じ反省の証として短髪にした。なお彼の身長は189センチだったが、リーゼントの髪を切ったら2センチ縮んだらしい。
スポーツ作品のキャラクターが短髪にする理由にはグッとくるものがある。