死んだらリセット…手ごわすぎるシミュレーション『ファイアーエムブレム』で体験した「はじめてのこと」3選の画像
『ファイアーエムブレム エンゲージ』(C)Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
全ての写真を見る

 1月20日にNintendoSwitchでリリースされる『ファイアーエムブレム エンゲージ』。3年半年ぶりの新作となるシリーズを楽しみにされている方も多いと思います。発売が近づくにつれ、Youtubeでは最新情報が配信されており、期待も高まってることでしょう。その配信映像のひとつ「はじめてのファイアーエムブレム」を見ていて、「そういえばファイアーエムブレムが初めてだったものも結構あったような?」というものがふと頭をよぎりました。そこで今回は、『ファイアーエムブレム』が初めてだった、エポックメイキングだったところを紹介したいと思います。

『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』タイトル画面より

■使い捨てじゃない! ユニットを育成する楽しさと愛しさ

 シリーズ1作目となる『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』が発売されたのは、1990年4月20日と30年以上も前になります。当時のウォー・シミュレーションゲームは戦闘機や戦車など現代兵器を扱ったものが多く、ユニットを生産して戦場に投入するといったものでした。しかし、『ファイアーエムブレム』は、シナリオやフィールド上での会話で仲間を増やし、それらをレベルアップさせてキャンペーンシナリオをクリアしていくという画期的なものでした。パソコンの『ファンタジーナイト』や『マスターオブモンスターズ』、PCエンジンの『飛装騎兵カイザード』などにも同じような要素がありますが、それを前面に押し出したのが『ファイアーエムブレム』でシミュレーションRPGの草分けとされる所以なのだと思います。

『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』より

 仲間になったキャラクターは、敵ユニットとの戦いを通じてRPGのように経験値を稼ぎ、レベルアップします。しかし、育成のリソースは限られており、また出撃できるユニット数に制限があるため、自然に育てるキャラは選りすぐりに。どのキャラクターを育てるかで攻略法は変わっていきますが、誰であれキャラクターが強くなっていくにつれ愛着がわいてくるものです。一定までレベルが上がり、アイテムを使えばクラスチェンジでより強くなれるので、誰を育ててクラスチェンジさせるかを考えるのは、シリーズ通してもっとも楽しく悩ましく、そしてやりがいのある部分だと思います。

 ちなみに、キャラクターのパラメータの上がり具合は結構ランダム要素が強く、1周目では主力だったのに2周目、3周目では全然役に立たないみたいなこともありますが、逆にそれが妙に人間味のあるというか、ダメな子ほど可愛いみたいな感じでより愛着を抱いた方も多いのではないかと思います。

『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』より

■死んだら終わり!? 二度と会えない喪失感とリセットの数

 キャラクターと戦って経験値を稼ぐというRPGの要素もある『ファイアーエムブレム』ですが、当然敵からの攻撃も受けますし、最悪死ぬこともあります。RPGなら死んでも復活させればいいだろ……と思いがちですが、『ファイアーエムブレム』では死んでしまったキャラクターは二度と復活できず、そのままゲームが進むことになります。一応、復活させられる魔法があるにはありますが、いいとこ1、2人にしか使えないので、実質的に死んだキャラには二度と会えません。

『ファイアーエムブレム トラキア776』より

 あまりにキャラクターを死なせまくるとゲームは進まなくなるでしょうが、数人死んだぐらいならクリアにはさほど問題ありません。しかし、手塩にかけたキャラクターが死ぬ喪失感はかなりのもので、特にボスから「ひっさつのいちげき」を食らって死んでしまったときは、そのステージを攻略した数時間をパーにする葛藤を抱えながらリセットボタンを押す方が多かったのではと思います。キャラクターの喪失を秤にかけての戦闘にドキドキしながらボタンを押す瞬間は、『ファイアーエムブレム』シリーズの最大の魅力でしょう。

 昨今のシリーズは従来の死んだら戻ってこないモード“クラシック”のほかに、死んでもマップが終われば復活する“カジュアル”モードが追加され、当時ほどの緊張感はなくなりました。ファミコンスーパーファミコン時代の『ファイアーエムブレム』シリーズほどの喪失感を味わってみたいのなら、ぜひ“クラシック”でプレイされてみてはいかがでしょうか。

  1. 1
  2. 2
  3. 3