『ファイヤーバム』や『ザナック』も…当時ハマった“ディスクシステムの隠れた名作ゲーム”3選の画像
『ファミリーコンピュータ ディスクシステム』(任天堂)

 ファミコンディスクシステムでは、『ゼルダの伝説』や『ファミコン探偵倶楽部』といった名作ソフトが誕生している。周辺機器ながら当時はファミコン本体と変わらない価格設定で、手に入れた友人たちを羨望の眼差しで見たものだ。

 そんなディスクシステムだが、意外にも知る人ぞ知る名作ソフトがあるのをご存じだろうか。今回は、ディスクシステムの隠れた名作ソフトを紹介したいと思う。

■超高速のスクロール…スピーディーな展開に圧倒された『ファイヤーバム』

 1988年にハル研究所から発売された『ファイヤーバム』は、当時としては超高速のスクロールを実現したアクションRPGだ。奇しくも前年に『リンクの冒険』が発売されており、『ファイヤーバム』は模倣作品と言われることもあったようだ。

 だが、それを言い出すとどのゲームにも当てはまることは多い。『ファイヤーバム』は“炎使い”の一族の少年である主人公・バムを操作し、ドメスという悪魔のようなボスを倒すのが目的だ。

 ドメスは大型のボスキャラで、当時のファミコンとしては度肝を抜かれるほどインパクトが強かった。ただ、猫型なので(ドラえもんか!?)そう怖くはないのだが……とにかくこのドメスによる魔力で、バムの両親は魔物へと姿を変えられてしまう。

 このゲームはなかなか面白かった。高速スクロールは一部のみだが、それでもソニックのように凄かったし、敵を倒してファイヤールーツを貯めて装備品を買うというのも良かった。

 ただ、正直なところ、剣を振り回しているだけで敵をせん滅でき、当たり判定も広く、プレイヤーにとっては難易度が低いと感じた人もいただろうと思う。それでも当時のファミコン世代にとって衝撃を受けた名作であることは間違いない。

■当時AIを用いてパターン化を阻止した難易度の高いシューティング『ザナック』

 AI(人工知能)という近未来的な言葉を導入したのが、ポニー(現・ポニーキャニオン)から発売されたシューティングゲームの『ザナック』だ。

 1986年に発売された当時は、『ゼビウス』『スターフォース』『ツインビー』『スターソルジャー』などの名作シューティングが流行していた。そのため『ザナック』は、一般的な知名度はそれほど高くないかもしれないが、実は面白い縦スクロールのシューティングゲームなのだ。

 通常のシューティングゲームは敵キャラのパターンが決まっているので、ある程度やり込むとノーミスでいけるようになる。しかし、AIによって変化するこのゲームにはそれが通じない。

 パターン化すると見せかけて違う動きをするのだから、1面をクリアするのにかなり時間がかかったものだ。ちなみにプレイヤーのレベルによって難易度が自動的に変わるのだが、一人で遊んでいる人は難易度が変わっているのかがよく分からなかったと思う。

 小学生だった筆者は2面で詰み、泣く泣く諦めてしまったものだった。それでも、兄のプレイを見ながらワクワクしていたのだが……。

 ちなみに、筆者だけが感じたのかもしれないが、『ザナック』は縦スクロールでスピーディーなうえ、地上の地形カラーが濃すぎて、白がベースの自機が見づらいという難点があった。とくに高速スクロールが急に止まったりするのは酔いそうだったな……。それでもシステムは当時としては画期的で、何度でも遊べるソフトとして名作に値すると思う。

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