『GALS!』『フルーツバスケット』最終回から数十年後の物語も…懐かしさだけじゃない“魅力”が詰まった名作少女漫画の「続編」の画像
花とゆめCOMICS『フルーツバスケットanother』第1巻 (白泉社)

 子どものときに読んだ大好きな漫画の名場面は大人になっても思い出せてしまうもの。

 あの頃夢中になって読んだ少女漫画のきらめきは、大人になった自分とともに消えてしまったのだろうか。いや、そんなことはない。少女時代に大好きだった漫画が、「続編」「スピンオフ」という意外なかたちで現代によみがえる例が近年少なくないのだ。今回は当時の懐かしさがよみがえる、大人になった今でも楽しめる少女漫画の「続編作品」を紹介したい。

 まずは、少女たちの心にギャルへの憧れを抱かせた、藤井みほな氏による『GALS!』。1998年から2002年まで『りぼん』(集英社)で連載されていた同作は、ギャル語や当時の渋谷の最先端ファッションを作品に取り入れた画期的な作品。読者の少女たちは、こぞってギャルに憧れた。

 アニメ化もされた同作は、2019年より漫画配信サイト「マンガMee」にて、『GALS!!』というタイトルで最終回からそのまま続くストーリーが連載された。

 これは主人公たちが社会人となってからの友人関係やカップルの恋愛模様を描いているので、当時の読者が読んでも十分に楽しめる内容。そして作品の時間軸は最終回の続きとなる2002年4月からを描いているので、例えばキャラの持つ携帯電話はスマホではなく全員もれなくガラケーだ。懐かしいのに新しい、令和によみがえった大好きなキャラたちにワクワクすることだろう。

『GALS!』同様、当時のキャラたちがそのままで描かれる続編としては、同じく『りぼん』にて1992年から2000年まで連載されていた彩花みん氏による『赤ずきんチャチャ』も挙げられる。同作は『赤ずきんチャチャN』として2012年から2019年まで連載された。

『N』は最終回で魔界に行ったチャチャたちが帰ってきた後を描いた続編で、現代の東京に遊びに来たものの帰れなくなってしまった彼女らの日常が描かれる。チャチャたちが都会で巻き起こすドタバタ劇はまるでパラレルワールド作品のようにも感じられるが、そもそもの原作がハチャメチャなギャグ作品なのでそこまで気にもならないだろう。おなじみのキャラたちが登場すると、つい心が踊ってしまう。

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