『機動戦士ガンダム』戦時下では当たり前? 視聴者を絶句させた…あまりにも強烈な「裏切り」キャラクター3選の画像
Blu-ray版『機動戦士ZガンダムII -恋人たち-』

機動戦士ガンダム』シリーズは、それぞれのキャラクターの想いや野望が入り乱れ、時として思いもよらない行動を引き起こす。なかでも視聴者に深い爪痕を残す行動が裏切り行為だ。

 もちろんこれは、アニメをよりおもしろくするためのエッセンス。『ガンダム』シリーズ以外でもバトルものやスポーツものでも裏切りは珍しくない行動だが、アニメ好きの人であれば思わず「えっ!?」と目を疑いたくなるような展開を目の当たりにしたことがあるのではないだろうか。

 そこで今回は歴代の『ガンダム』シリーズにおいて、印象的な裏切りを行ったキャラを何人か振り返ってみたい。

■恋人に銃口を向け、元カレに寄り添う

 シリーズのなかでも特に話題に上がりやすいキャラクターといえば『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のニナ・パープルトン。アナハイム・エレクトロニクス社のエンジニアである彼女は、ガンダム試作1号機・試作2号機の担当エンジニアとして戦艦アルビオンに出向する。

 アルビオンに所属する主人公コウ・ウラキと出会い、当初は険悪だったもののコウのがむしゃらな頑張りによって2人は恋仲へと発展。しかし、ストーリーが進むと、ニナは敵対勢力デラーズ・フリートの主要パイロットであるアナベル・ガトーと元恋人関係にあったことが発覚する。

 そして最終13話では、そんな三角関係にある3人が落下するコロニーの中で出会ってしまう。そしてコウはガトーを追い詰めて射殺しようとするのだが、ニナはコウを制止し、あろうことか銃口をコウに向け威嚇射撃まで行うのだった。ニナはそのままガトーに寄り添ってコウの前から姿を消してしまう。コウはその現実を受け止められず、絶叫。視聴者を驚かせたショッキングな裏切り行為といえるのではないだろうか。

 OVA版では終戦後にコウとニナが再会し、お互いに喜んだところで幕を閉じる。しかし「コウは本当にそれで喜べるのか?」「ニナはどんな思いでコウに顔を見せられたのか?」など、いち視聴者としてモヤモヤした感情が残るエンディングだった。

■クワトロを見限りシロッコに鞍替え

 ある意味、現実でも起こりそうな裏切り行為といえば『機動戦士Zガンダム』のレコア・ロンドを思い浮かべる人も多いはず。彼女は反地球連邦組織エゥーゴの女性士官で、兵器輸送や諜報活動がおもな任務だ。

 男性不信気味な性格で、カミーユ・ビダンのような少年ですら体を触れられることに嫌悪感を感じていた。ただし、クワトロ・バジーナに対してはそれ以上の強い憧れがあり、恋仲であったとみられる。

 しかしクワトロの煮え切らない態度や彼女が負傷した際のケアのなさなどから、必要とされていないと感じていた。そして、敵対組織ティターンズへのスパイ活動中に、パプテマス・シロッコと出会い、シロッコから「君の力が必要だ」と諭されたことから、エゥーゴ(クワトロ)を見限ってティターンズ(シロッコ)についてしまった。

 最終決戦でレコアはシロッコの部下として、古巣であるアーガマの面々と戦う。裏切りのきっかけとなったクワトロには「私がお前を殺すのだよ!シャア!」と敵意まで向けるが、最終的にはエゥーゴの女性パイロットであるエマ・シーンと対峙して死亡してしまう。

 最後まで男女のこだわり、わだかまりを抱え「男たちは戦いばかりで、いつも女を道具に使うことしか思いつかない。もしくは、女を辱めることしか知らないのよ……」との言葉を残したレコア。裏切った先のシロッコにも戦争の道具として使われてしまった、なんとももの悲しいキャラだった。

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