■過度のプレッシャーにより一度バスケから遠ざかった『あひるの空』の「茂吉要」
最後は、日向武史氏による『あひるの空』(講談社)から、茂吉要(通称:モキチ)を紹介したい。
ヒョロヒョロとした体型ながらも2m近い身長からのフックシュートを操り、バスケセンスは抜群。主人公・車谷空のいる九頭龍高校バスケ部の救世主だ。
茂吉は小学生のときから背が高く、中学時代は活躍していたのだが、周囲の期待が大きくなり過ぎて過度のプレッシャーを感じてしまい、中学校2年生という大きな成長期にバスケ部を辞めてしまっている。
しかし、高校では自分よりも小さな空が懸命に楽しそうにバスケをしている姿に奮起されて見事に立ち直りバスケ部へ入部するのだが、1年以上ものブランクがあるので、体力が追い付かないからフル出場が難しい。そして、よく倒れる……。
そんな茂吉だが、実は成績優秀でテストは満点を取るのが珍しくない。(ちなみに、バスケ部入部の前は化学部のエースだった) 身長だけでなく、驚くほどのポテンシャルの持ち主だと言って良いだろう。
フルタイムの出場が難しいスポーツ漫画の選手を取り上げてみた。持病や戦略面、ブランクと理由はさまざまだが、これらの選手たちはフルタイムで全力でプレーできれば最強といえるだろう。そのなかでもやはり、一歩間違えれば死ぬかもしれないハンデを背負いつつ、まさに命懸けで戦う三杉はすごかったな。