『キャプテン翼』三杉淳や『SLAM DUNK』藤真健司も…フルタイム出れたら最強! “一瞬の輝き”を見せるスポーツ漫画の登場人物3選の画像
『キャプテン翼』DVD SET~小学生編 下巻~(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)

 スポーツ漫画では、“技術がつたなくてもスタミナの化け物”という主人公が比較的多く見られる。そういった場合、豊富な練習量で強くなるパターンがお決まりだ。

 しかしなかには、理由があってフルタイム出場できない選手も登場する。そんな彼らだが、主役顔負けの技術を持ち、ときにはその存在感が相手チームに多大な影響を及ぼすことも……。

 そこで今回は、スポーツ漫画に登場する“一瞬の輝きを見せる登場人物”を紹介していこう。

■ハンデを背負った悲運の天才プレイヤー『キャプテン翼』の「三杉淳」

 “途中出場”といえば筆者の世代からすると、やはりこの選手が最初に浮かび上がる。

 高橋陽一氏による国民的サッカー漫画『キャプテン翼』(集英社)に登場する、三杉淳だ。心臓病というハンデを背負い、わずか数分から10分程度しか力を発揮できない三杉だが、小学生とは思えないほど頭脳明晰で、冷静に判断できる視野の広さを持ち、普段はベンチからチーム全体の指揮を執る。

 しかし彼はひとたび試合に出れば華麗なテクニックを披露し、主人公・大空翼や岬太郎、日向小次郎といった全国区の選手たちをはるかに凌駕する。しかも、三杉には専属のファンクラブがあり、毎試合“黄色い声援”が飛ぶという。(本当に小学生なの……?)

 そんな三杉は、小学生の全国大会準決勝で翼率いる南葛SCと対戦。ここで彼はこれまで温存していた体力を発揮しようと、なんとフルタイム出場を決断するのだ。

 試合では当然ながら三杉が一人で南葛を圧倒し、点差を広げていく。ケガの影響で控えとなっていた若林源三がゴールキーパーであっても、恐らく止められなかったほどだろう。現に心臓病を抱えながら技術で圧倒する三杉に、翼は初めて負けを意識して戦意喪失していた。

 しかし、そんな三杉も無理がたたって後半は状態が悪化してしまう。それでもチームのためと翼との全力勝負のためにピッチに立ち続け、胸を抑えながらプレイを続ける姿にとうとう翼も立ち直り、全力で立ち向かって逆転劇を生む。うーん、主人公の成長のためかもしれないが、三杉がちょっとかわいそうにも思える……。

 それにしても、三杉は本当に凄かった。中学生では2年間リハビリをして最後の大会に決勝戦から登場し、日向率いる最強の東邦学園から後半だけで2点をもぎとっている。しかも相手GKは若島津だぞ。満足に練習できなかったはずなのに……。ハンデがなければ日本一のプレイヤーになっていたほどの存在だった。

 そういえばファミコンの名作でもある『キャプテン翼2』では、ガッツの減りが速い三杉を使い過ぎると、全身青くなって「うっ! しんぞうが…」という場面があったな。あれは怖かった……。

■強豪なのになぜか監督がいない…! 『SLAM DUNK』の「藤真健司」

 井上雄彦氏による『SLAM DUNK』(集英社)にも、フルタイム出場が厳しい選手がいる。それは神奈川の強豪校・翔陽高校のエース兼監督である藤真健司だ。

 この翔陽バスケ部はなぜか監督が不在だ。県では2番目に強くてインターハイの常連校であるのに、どうしてだろう。公立高校なのだろうか?

 まあ、それは漫画なのでいいとして……(!?)、藤真はベンチにいるときには“監督”として、チーム全体の流れや相手選手の特徴などをしっかりと分析し指示を出す。そして、勝負どころが来れば最適なタイミングで“選手”として登場。クールとはほど遠いプレイスタイルで、大柄なほかの4人の選手を使い、点を取っていくのだ。

 ポイントガードとしては海南大附属の牧紳一に次ぐ実力を持つ、県内トップクラス選手の藤真。途中出場ながら湘北戦でも、一気にゲームの流れを支配していた。もしも翔陽にしっかりとした監督がいて、彼が選手に専念できれば違った結果になっていたかもしれず、その点は残念だった。

 ちなみに、この藤真もイケメンで女性にモテる! まあ、あのルックスで運動神経抜群、頭脳明晰となれば、女性は放っておかないだろうな……。

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