■能力は継承するが死んだキャラはロストする『ロマンシング サ・ガ2』
自由度の高いフリーシナリオシステムと育成の幅の広さが魅力のRPG『サガ』シリーズ。
1993年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された『ロマンシング サ・ガ2』よりLP(ライフポイント)というパラメータが新しく導入された。『ロマサガ2』においては、HPが0になるたびに減少していき、0になるとキャラクターがロストしてしまう。基本的に回復する手段がなく(一部回復できる手段はあるが限定的)、当時のプレイヤーの誰もがポイントが減るごとにキャラクターの死を実感したのではないだろうか。
『ロマサガ2』では、主人公である皇帝のLPが0になると味方キャラに皇帝継承を行い、能力を引き継ぐシステムを採用していた。ゲームオーバーになることはないが、せっかく育てたキャラがいなくなってしまうのはやはりどこか切ないものがある。
また、シナリオ序盤の山とも言えるLPを取り上げた「七英雄クジンシー」とのバトルは本システムをうまく体現しており、プレイヤーに重要性を焼き付けてくれる必見の展開だ。
■ロストを回避させる手段はあるが、緊張感が常に走る『タクティクスオウガ』
昨年11月に待望のリメイク作『タクティクスオウガ リボーン』が発売され、記憶に新しい名作シミュレーションRPG『タクティクスオウガ』にもキャラクターロストが存在する。
『FE』シリーズと同様、ユニットのHPが0になると死亡となるが、そのマップをクリアするまでに蘇生またはアンデッド化させることでロストを回避することができる。
多少の猶予があるため緊張感は『FE』シリーズほどではないが、一部の魔法や地形効果によって即死、ロストしてしまうことがあり、油断できない場面が多々存在する。
また終盤に限定されるが、秘術「スナップドラゴン」を使用すると問答無用でキャラクターがロストし、犠牲になったユニットが強力な武器へと変貌してしまうという驚きの要素も搭載されている。手塩にかけたユニットも完全に無駄にはならないが、初見では誰もが驚いたのではないだろうか。
同作を象徴するシステムのひとつとも言えるので、この世界観を是非、味わってみてほしい。
以上、死んだ仲間が生き返ることがない、キャラクターロストで有名な作品を3点紹介してきた。これらの作品をプレイしていると仲間の重要性や思い入れ、愛着もひとしお湧いてくるのではないだろうか。これらのタイトルを通じて、ゲームならではの「仲間を大切にする」体験を味わっていただけたら幸いだ。