『ドラゴンクエスト2』に登場する「サマルトリアの王子」は、勇者ロトの子孫ながらファミコン当時は後半戦でほとんど役に立たなかった。リメイク版では改善されていたが、当時はすぐに倒されてしまうし、強力呪文を使えるわけでもないため、いってみれば“中途半端”な位置づけだった……。
しかし、敵として登場する「中ボス」たちのなかにも、実は魔王軍の役に立っていないキャラがいる。そこで、ドラクエシリーズで魔王に怒られそうな“中ボスモンスター”たちを紹介していこう。
■ドレイをいじめ過ぎる前に呪文を封じろよ…『ドラクエ5』の「ムチおとこ」
まずは『ドラゴンクエスト5』の青年時代前半に登場する「ムチおとこ」だ。
少年時代でゲマに敗れてからというものの、主人公とヘンリーは建築途中の大神殿で長年奴隷生活を強いられる。かなり過酷なドラマだが、マリアを助けるためについに立ち上がる展開に。
ここでの相手が「ムチおとこ×2体」となるのだが、主人公とヘンリーは武器を取り上げられており、防具もドレイの服のみ。HPとMPは回復しているのだが、素手での攻撃では歯が立たない。
そこで主人公は「バギ」、リメイク版で戦闘に参加するヘンリーは「メラ」で対抗することになるが、主人公は回復呪文の「ホイミ」も覚えているので、意外にも楽に勝てる。コイツらはドレイをいじめ倒していたが、その前に呪文を封じろよと言いたくなるな……。
この大神殿が完成してからは教祖イブールが後半の中ボスとして存在するのだが、部下の管理能力を疑いたくなってしまう。あ、そうか……だからゲマに不要と消されてしまったのか。「役立たず」とはっきり言われていたな……納得だ。
■主人公・母に化ける卑劣な中ボス…補助呪文で楽勝だった『ドラクエ5』の「ラマダ」
『ドラゴンクエスト5』のイブール戦の前に、実はもう一人役立たずの中ボスがいる。それは主人公の母「マーサ」に化けた「ラマダ」だ。戦うのは大神殿が完成してからになるため、物語の後半に進んでからとなる。
ラマダは母・マーサの姿に化けたまま、父であるパパスの悪口を言って主人公を丸め込もうとするのだが、身を挺して守ってくれたパパスを侮辱するなんて……主人公だけでなく、ゲームをプレイしている筆者としても許せないと思ってしまったものだ。
変化を解くと、なんとそこに「ギガンテス」が……!? いや、「アトラス」のようで色が違う……とにかく、一つ目の大男・ラマダが登場する。実はイブールに仕える大僧正らしいのだが、本当にマーサに化けて成功すると思ったのか? ちょっとオツムが心配になる。
だが、戦闘になってからもある意味ヤバかった。攻撃力自体は高く、「はげしいほのお」「ベギラゴン」「マヒャド」を仕掛けてくる。MPも無限大とかなりの強敵のはず……なのだが、実は補助呪文で簡単に迎撃できるのだ。
物理攻撃と「はげしいほのお」は「スクルト」と「フバーハ」で、呪文は「マホカンタ」で十分防げるのだが、ラマダはそんなマホカンタ状態でも構わず「ベギラゴン」や「マヒャド」を繰り返してくる。全員分のダメージが反射されてもお構いなしだ。
う~ん、やっぱりイブールの管理能力はまったくダメだな……。