『ガンダム』作品に登場した不遇な“出オチ機体”たち…参戦即退場、出撃すらできなかったケースもの画像
バンダイのプラモデル『1550 ザクレロ』パッケージより

『ガンダム』シリーズでは敵味方を問わず、さまざまな機体が登場し、活躍を見せてくれる。しかし、中には強烈なインパクトをもって鳴り物入りで登場しながら、視聴者の期待を裏切り一瞬で撃墜されてしまう“出オチ”のような扱いをされる機体も。今回はそんな「出オチ機体」を3つ取り上げていく。

■即退場も記憶に残るモビルアーマー? インパクト抜群だった「ザクレロ」

 最初に紹介するのは『機動戦士ガンダム』の32話「強行突破作戦」で登場したザクレロだ。シャアが指揮するザンジバルと交戦し、消耗していたホワイトベース隊は1機で接近する機体を捕捉。ハヤトが乗るガンタンクが先行し、ザクレロと戦うことになる。

 ザクレロは黄色にカラーリングされ、両手は鎌のような形状、昆虫の複眼を思わせる目、拡散メガ粒子砲の発射口が大きく空いた口のように見えるインパクト抜群の機体だ。交戦したハヤトも『なんだあのモビルスーツは?』と驚いた様子を見せている。

 強力な武装を備えたザクレロを相手にガンタンクは追い込まれており、アムロの助けがなければ撃墜されていたかもしれない。助けにきたガンダムはこの回だけの特別仕様で、ガンダムの上半身に戦闘機の下半身というヤバイ見た目になっている。

 これまでとは打って変わってツッコミどころが多い戦闘だったが、アムロがすれ違いざまにビームサーベルをザクレロに突きさし、一瞬で勝負がついてしまう。しかも、ザクレロは最後に決めポーズをして爆発するというおまけつきだ。

 シャアにはザクレロなど知らんと言われ、アムロには『コンピューターで簡単に動きが読めた、いったいどういうつもりで』とかなり辛辣な言われようだ。

 登場して5分もたたずにやられ、その後は誰からも触れられないザクレロはシリーズ初の出オチ機体だと言えるだろう。

■一瞬で全滅! 完璧な出オチとなってしまった「スカーレット隊」

 出オチというキーワードでガンダムファンが連想する部隊と言えば、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』で登場した「スカーレット隊」だろう。

 スカーレット隊は、最新鋭モビルスーツ(MS)『ガンダムNT−1 アレックス』を受け取るためにサイド6に駐留していた戦艦『グレイファントム』に所属する部隊だ。そのアレックスを破壊すべく潜入していたジオン軍のサイクロプス隊のMSケンプファーを止めるためにスカーレット隊は出撃する。

 カッコよく出撃をしたスカーレット隊だったが、地上に降下中に3機撃墜され、降下することができたジム・スナイパーⅡもジャイアント・バズを受けて撃墜された。そして、グレイファントムのオペレーターは『スカーレット隊、全滅』と告げるまで30秒ほどしかなく、長い歴史を持つガンダムシリーズ最速の全滅シーンではないだろうか。

 民間人もいるコロニーだったため、巻き込んでしまう恐れがあることから、攻撃が満足にできなかったことを考慮しても、あまりに早すぎる全滅と言えるだろう。盾がある機体なので防御しながら降下したり、固まるのではなくバラバラに降下するなどの工夫をして欲しかった。

 最新鋭MSであるジム・スナイパーⅡに量産型ガンキャノンが配備されていたのだから、もうちょっと善戦できなかったのかと思ってしまう。

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