■食らった瞬間あの世行き…!?『修羅の門』の陸奥圓明流「蛇破山」「狼牙」「巌颪」

 川原正敏氏による大人気格闘漫画の『修羅の門』(講談社)では、千年不敗の陸奥圓明流に強烈なヒジやヒザの技が存在している。

 まずは、相手の攻撃を防ぎながらヒジで打撃を放つ「蛇破山」だ。これには「裏蛇破山・朔光」という技も存在するが、敵の攻撃を上方に受け流しながらみぞおちにヒジを下から突き上げるというもの。いやはや悶絶ものだろう……。

 続いて恐怖なのが「狼牙」だ。立ち技状態でアームロックを極めておき、そのまま相手の顔面にヒジを叩きつけて後方へ投げ落とす。しかもそのとき、体重を乗せたままヒジを顔面に当てるという強烈な投げ技だ。関節を決められながらなので、食らったら一発アウトだ。

 さらに怖いのが「巌颪(いわおろし)」だ。相手の顔面に打撃を入れてのけ反らせ、頭をつかみながら後方へ押し倒すのだが、もちろんそれだけでは終わらない。なんとヒザを相手の頭部めがけてそのまま落とすという、決まればもはや生きていられない技も……。

 しかも、主人公・陸奥九十九は「圓明流は人殺しの技だ」と、さらりと言っている。こんな相手と対戦することになったら、泣いて謝るしかないな……。とはいえ、九十九は根が優しいので大丈夫だろうが、不破北斗なら間違いなく瞬殺されてしまうはずだ。

 ちなみに陸奥圓明流には「四門」という奥義の上位的存在がある。その一つである「朱雀」は両足で後方から相手の首を挟み込んで回転しながら投げ倒すのだが、トドメは頭部にヒジを当てて叩き落とすというもの。いや、ヒジの前にその前の首を挟んで投げ倒す段階で首の骨が折れてしまっている。これはもはやヒジ技とは呼べないだろう。

 それにしても、なんとドギツイ技をたくさん編み出すのだろう……陸奥圓明流とやらは。

 

 さて、ヒジやヒザを必殺技として登場するバトル漫画を紹介してきた。もちろん、これら以外にも読者に思い入れのある作品や必殺技は大いにあるだろう。

 人間の体の中でも、硬くて凶器となるヒジ・ヒザ。これからもバトル漫画で新たな必殺技が生まれてくるはずだ。

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