『修羅の門』『THE MOMOTAROH』…強烈な“武器”ヒジとヒザを使って相手を倒した“バトル漫画の必殺技”の画像
月刊少年マガジンコミックス『修羅の門』第弐門 第14巻(講談社)

 格闘技において、ヒジやヒザは反則なくらい強烈な武器となる。現実の世界でも鍛え上げられた格闘家たちは凄まじい威力を誇るが、これはバトル漫画でも同じだ。徳弘正也氏による『ジャングルの王者ターちゃん♡』(集英社)では、ターちゃんが“ヒジは最強”だとしていたし、実際、必殺技の1つ“ターちゃんさぶミッション”(野郎とやろう)でも相手のヒジを封じていた。

 そこで筆者の思い入れのあるバトル漫画で、ヒジやヒザを使った主人公の必殺技を紹介していこう。

■爆笑プロレスギャグ漫画でも必殺技は強烈『THE MOMOTAROH』の「モモ・スペシャル」

 1987年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、にわのまこと氏による爆笑プロレスギャグ漫画『THE MOMOTAROH』では、主人公・モモタロウが立ち技主体なので、ヒジやヒザを使った必殺技を放っている。

 お馴染みの技といえるのが「モモタロウ・ファイナル・エルボー」で、ヒジに気を集中させて相手を打つ。身体能力の高いモモタロウだけにかなり痛そうだ……。

 そして「モモ・スペシャル」として登場するのが、「ダイビング・ピーチボンバー禁じ手バージョン」だ。通常使う前方回転のヒップアタックではなく、鋭い後方回転のまま両ヒザを相手に激突させる。プロレスでは「ジャンピング・ニー・バット」がよく見られるが、両ヒザをもらうなんて想像したくない……。その威力の凄まじさから、モモタロウ自身があえて“禁じ手”としていたほどだった。

 ちなみにモモ・スペシャルには大技の「モモタロウ・ストライク・スリー」があり、相手の腕をクロスして引き込み、そのままヒジをヒザで蹴り飛ばしながら後方にスープレックスを仕掛ける。相手は受け身が取れずにヒジも破壊されるという、究極の技だった。

■相手の顎まで見事に粉砕する『破壊王ノリタカ!』の飛びヒザ蹴り

 ギャグ漫画でもありながら、かなり本格的なバトルを展開するのが、1991年から『週刊少年マガジン』で連載された、作画:刃森尊氏、原作:村田ひでお氏による『破壊王ノリタカ!』(講談社)だ。

 主人公:沢村典隆ことノリタカは、何をやってもダメな高校生。憧れのヒロイン・中山美樹に「弱い人嫌いなの」と振られてしまったことから、強い男になるべく蹴道部に入ることとなる。ここではスキンヘッドの丸山コーチによる奇抜なトレーニングでノリタカは異種格闘技を繰り返し、各段に強くなっていくのだ。

 ノリタカの必殺技は多岐に渡るが、やはりキックボクシングやムエタイが主流なのでヒザが強烈だった。ボクシング部のエース・山崎竜二との対決では体格差が大いにありながら、顔面にヒザを入れる姿に痺れたぞ。

 ほかにも、ドクター中松のジャンピングシューズからの「飛びヒザ蹴り」や、1本30キロにも及ぶ鋼鉄製竹馬のトレーニングを経ての「必殺エアウォーク二連飛びヒザ蹴り」など、ユニークで強烈な必殺技を披露している。

 それにしてもこの丸山コーチ、なにかと面白い存在だった。アイデアが奇抜なばかりではなく、対戦相手をよく研究していた。ただ、スカートめくりや餅つきが実戦で役立つなんて誰も思わないぞ……。

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