■「マンガ大賞」作品待望のアニメ化

 続いては、「このマンガがすごい!2021」オトコ編2位、「マンガ大賞2021」大賞を受賞した、山田鐘人氏原作、アベツカサ氏作画の『葬送のフリーレン』。現在『週刊少年サンデー』(小学館)で連載中の作品だ。

 通常であれば、勇者もののファンタジーといえば、パーティーが魔王を倒すまでの道中を描く作品が多いが、同作が描くのは勇者一行が魔王を倒した後のストーリー。

 勇者一行の一人として10年間勇者らと旅をしてきた人間よりはるかに長命の主人公のエルフ・フリーレンが、彼らの死後、仲間たちにまつわる思い出をたどって人間を知るために再び旅に出るという物語で、フリーレンが過去を思い出しながらひとつひとつを再確認していくシーンなどはついホロッとくるような展開もある。

新しい形の冒険ものとして心が温かくなる『葬送のフリーレン』を、ぜひアニメの美麗な作画や美しい音楽で見てみたい。きっとアニメが放送されればもっと知名度が上がり、老若男女から愛されることだろう。

 またPrime Videoでの独占配信が予定されている『ルパン三世VSキャッツ・アイ』も注目だ。同作はモンキー・パンチ氏原作の『ルパン三世』の50周年と北条司氏原作の『キャッツ・アイ』の40周年を記念したクロスオーバー作品だ。

 物語は1980年代を舞台にしていることから、当時のファンにとっては新しくも懐かしい作品になりそう。同作は大泥棒と怪盗である2組が互いのプライドを賭けてお宝の争奪戦に挑むという内容で、ファンとしてはどちらにも勝利してほしいし、とはいえどちらにも負けてほしくないもの。さらに大きな秘密に迫り「共闘」という路線もありえそうだ。

『ルパン』がこれまでアニメ作品とコラボしたのは2009年に『名探偵コナン』とコラボした『ルパン三世VS名探偵コナン』と続編の劇場版のみ。新たな世界観の広がりや、『キャッツ・アイ』の懐かしの声優陣の演技など、当時を知る大人にとっては2倍楽しい気持ちになれそうだ。

 果たして今年は何が「バズる」か。予想しながらアニメを見ているのも面白いだろう。

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