『ウィザードリィ』『ベストプレープロ野球』『ダービースタリオン』も…今思えばちょっと視点が違った“『アスキー』ファミコンゲームソフト”5選の画像
アスキー『ダービースタリオン 全国版』(編集部撮影)
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 かつてファミコン時代、良作を多く生み出したゲームメーカーの『株式会社アスキー』。ちょっと視点が違う作品が面白く、筆者も夢中になって遊んだものだった。そこで懐かしい『アスキー』のファミコンゲームソフトを振り返ってみたいと思う。

■世界で大人気作品でもファミコン世代の小学生には難しかったRPG『ウィザードリィ』

『ウィザードリィ』はパソコン用RPGゲームとしてすでに人気作となっていたのだが、ファミコンでは1987年に発売されている。(開発元:株式会社ゲームスタジオ)

 筆者の家にはパソコンがあったが、小学生だったので同作の存在を知らなかった。当時は一部の人しかパソコンを持っておらず、世間ではドラクエが2も発売されたあとだったので、筆者の友人たちもドラクエの二番煎じだと思っていたものだ。

 ただ、前評判が高く雑誌にも傑作と評価されており、どことなくダークなパッケージに引かれてファミコン版を購入してみた。しかし、当時小学生の筆者には難しかった。どこを歩いているのか分からない主観的ダンジョンと、多すぎる仲間、なにをしていいのか意味不明だったな……。

 筆者には4つ上の兄がいるのだが、当時受験生だけに理解力も速く、いろいろと教えてくれたので(勉強以外)どうにかクリアまでいけた。その後、友人に貸してみたものの、皆クリアできなかったので誇らしかったのを覚えている。

 ドラクエやFFにも影響を与えた作品として名を馳せている『ウィザードリィ』。これをドラクエが爆発的に人気となったあとでも販売した『アスキー』は、カッコいいではないか。

■ビーム砲の反動を利用するシューティング『アストロロボSASA』

『アストロロボSASA』(開発元:マスティール)は1985年に発売されたシューティングゲームで、「SASA」とは主人公のことを指している。まだまだファミコン創世記の作品なのだが、なんといってもビーム砲を放ったあとにその反動を利用して移動するというアイデアが、今でも斬新といえるだろう。

 敵が迫ったとき、ジャンプして逃げるのではなく、地面を撃ってそこから空間を移動するのだ。しかも、このビーム砲は無限ではない。エネルギー残量があるので、無駄に砲撃しまくるとゲームオーバーになってしまう。

 当時のシューティングゲームは無限にショットできるのが楽しかったため、なんとも難しい操作で頭を使ったものだ。筆者はなんとか10面ほどの海中ステージまでいけたものの、クリアはできなかったな……。

■主人公は野球監督! 自由度が高過ぎる「ベストプレープロ野球」

 筆者が『アスキー』の作品で一番好きだったのが、1988年に発売された『ベストプレープロ野球』だ。ボーイズリーグで少年野球をしていた筆者にとって「こんなゲームが欲しかった」といえる夢のような作品だった。

 従来の野球ゲームはファミスタなどに代表される全員を操作するものだったが、このゲームは監督となって操作は一切しない。指示のみでペナントレースを戦っていくのだ。

 シリーズを重ねるごとに進化していき、試合の短縮、調子指数や投手のローテーション制(これは当時として画期的)、マウンドでの投手の言い訳コメント「カーブがすっぽ抜けた」など、面白さ満載だった。

 そして選手データをいつでも編集できるという優れた機能を搭載し、自分でオリジナルチームを作るだけでなく、トレードにすぐ対応できて自由度が高過ぎることから、何年も繰り返して遊べるコスパソフトでもあった。

 開発者の薗部博之氏は、筆者にとって“神”といえる存在だったな。筆者は阪神ファンだったので、センター“きたむら”の守備・肩・足をオールA(S)にして最強の1番打者にした。続けて2番打者に“まゆみ”、“バース”、“かけふ”、“おかだ”と最強打線を並べていたな。分かってくれる人がいたら嬉しいぞ。

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