■「首吊り学園殺人事件」金田一をミスリードによって罠にはめた“地獄の子守唄”
金田一が関係者を集めて謎解きをする際、初めてミスをしたのがFile8の「首吊り学園殺人事件」だ。もっとも金田一自身も「謎はほとんど解けた」としか言及しておらず、それだけ犯人が巧妙だったといえる。
母親に刺激されて名門予備校に通うこととなった金田一だが、入試テストの代わりに担当の浅野先生に受けさせられた金貨の問題。瞬殺で答えていた金田一だが、このクイズは昔流行った“IQエンジン”のようで筆者も心が躍った(もちろん間違えたが……)。
それにしても首吊り学園に倣った密室殺人や血文字、朝顔と夕顔の違いや髪が伸びる絵、いじめやカンニング、そして自殺した深町の霊が宿ったという森宇多子の存在など、ミスリードにつながる要素はたくさんある。
このエピソードでの犯人も、例外なく切ないエピソードがつらかった。ただ、だからといって殺人を犯していいわけではないのだが、やはり同情してしまうのは否めない……。
いかがだったろうか。『金田一少年の事件簿』には人によって好きなエピソードや難事件は異なるだろうが、筆者的に金田一を苦しめたのはこの3つの事件がベストだった。
ちなみに筆者はファイル7の「異人館ホテル殺人事件」(正解率9%)を解き明かし、真相当てクイズで掲載されたことがある。ポータブルTVをゲットしたが、これは高校時代に自慢できたものだった。