■珍しく共闘するも…ライバルには弱みを見せない
2019年に公開された劇場版『名探偵コナン 紺青の拳』では、コナンとキッドがまさかの共闘をすることになる。
本作で怪盗キッドは、殺人犯の汚名を着せられてしまう。さらに逃走を図った彼に警察が放った銃弾が命中……。
怪我をしたキッドはライバルであるコナンに「握った拳の中にまるで何かがあるように見せるのがマジシャン」「その拳が開く前に中身を言い当てるのが探偵だろ」と、珍しく助けを求めた。普段は敵対することが多い2人だが、1人では勝てないと踏んだキッドはコナンに協力を要請したのだ。
そして「中身を言い当ててくれよ名探偵 殺人という名の謎めいた拳の中身をな」と言い残し、真犯人への反撃に向かうというこのシーン。
コナンを信頼しているからこそ、協力を求めたキッド。怪我の影響を感じさせずに“いつもの様子”を見せていたのは、きっと“怪盗キッド”としてのプライドから平静を装っていたのだろう。
“怪盗キッド”らしからぬ珍しいシーンだったが、ライバルに弱みを見せないという点では“怪盗キッド”らしい一幕だったのかもしれない。とはいえ、ファンたちは願ってもない2人の共闘に大いに沸いたことだろう。
怪盗と探偵であるキッドとコナン。2人はライバルでありながら、状況によっては協力することもある不思議な関係だ。人の命を脅かすような危険な行動はせず、自身の美学に則って犯行に及ぶキッド。彼の本質をコナンは理解しているからこそ、コナンとキッドは“良い関係”でいられるのかもしれない。
本作において見どころでもある2人のエピソードからは、今後も目が離せない。