『名探偵コナン』どこまでも混ざらない“探偵VS怪盗”の名シーン3選! 怪盗キッドの初登場エピソードやキザなセリフにも注目の画像
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 青山剛昌氏による『名探偵コナン』は、1994年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載がスタートし、現在にいたるまで幅広い世代に愛されている作品だ。

 謎の犯罪集団“黒の組織”によって小学1年生の体にされてしまった江戸川コナンこと工藤新一が、数々の難事件を解決していく本作。そんなコナンのライバルとしてたびたび登場するのが、「怪盗キッド」である。

 “探偵”と“怪盗”という水と油のような関係の彼ら。今回はどこまでいっても混ざることのないコナンと怪盗キッドについて、今回は印象に残ったエピソードを紹介していこう。

■怪盗キッドの発言にコナンが本気になった初登場シーン

 まずは、コナンと怪盗キッドが本格的に“ライバル関係”となったエピソードを紹介しよう。 怪盗キッドが初登場したのは、コミックス16巻でのこと。犯行予告を解読し、ビルの屋上に辿り着いたコナンを見て驚いたキッドは「何やってんだこんなところで」と話しかける。

 しかしコナンは警察に合図を送るため花火を打ち上げるなど、“子ども”らしからぬ行動を取っていき、キッドはコナンが只者ではないことを感じ取った。

「ボウズ…ただのガキじゃねーな…」と漏らすキッドに、「江戸川コナン…探偵さ…」と不敵な笑みで答えるコナン。“探偵”と名乗る彼に対し、キッドは「よぉ ボウズ…知ってるか?」「怪盗は あざやかに獲物を盗み出す創造的な芸術家だが…」「探偵は その跡を見てなんくせつける…ただの批評家に過ぎねーんだぜ?」と挑発的な態度を取り、逃走を図るというこのシーン。

 キッドの行動が営利目的ではないことが明確に判明したこのエピソード以降、2人は“良きライバル”として、たびたび作中で衝突することになる。

 自身を芸術家と言い切ったキッド。その言葉通り、キッドの犯行は実にあざやかで美しいのは本作では通例だ。そして“ただの批評家に過ぎない”などと言われてしまったコナンが、これを機に彼に対して本気になったのは言うまでもないだろう……。

■どこまでいっても水と油…混ざることのない二人の関係

 初登場以降、コナンは正体不明の怪盗キッドの正体を暴こうとしていく。

 コミックス46巻では、キッドに対して「いつか必ずお前を徹底的に調べ上げ、正体を白日の下に晒してやっから そう思え……」と、宣戦布告するコナン。そんな彼にキッドは「止めときな…」「何が入ってるかわからねーから、パンドラは箱を開けたんだ……」と告げる。これはギリシャ神話に登場する“パンドラの箱”というエピソードを用いたセリフだった。

 好奇心旺盛なパンドラという女性が“絶対に開けてはいけない”と言われていた箱を開けてしまい、中に入っていた犯罪や疫病などの災厄が溢れてしまったという“パンドラの箱”。パンドラが慌てて閉じた箱の中には希望が残されていたという皮肉に満ちたこのエピソードを用いたキッドは、「開ける前から中身がわかってる宝箱なんて……つまんねーぜ?」と言い残してその場を去って行く。

 そんな彼の後ろ姿を見ながら、「開ける前に中身を知るのが……探偵なんだよ…」と心の中で呟くコナンが印象的なこのシーン。キッドはコナンに対して、「自分の正体は知らない方がいい」と伝えるも、対してコナンはパンドラのように中身を知らずに災厄をばら撒くのではなく、開けずして中身を知ることができるのが探偵だと考えている。

 2人の考え方が完全に対照的であると感じるこのエピソード。コナンとキッドが水と油のようにどこまでいっても混ざることのない関係であることが分かる名シーンだ。

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