いつの時代も読者の心を熱くさせるヤンキー漫画。その魅力の一つがクセの強すぎる暴走族チーム名だろう。あまり学校に通っていなさそうなのに、なんでそんなに難しい漢字知ってるの? と感心してしまうようなカッコいい当て字から、思わず笑ってしまうものまで、昭和・平成・令和の代表的なヤンキー漫画からピックアップしてみた。
■『カメレオン』に出てくる「松戸苦愛」のインパクト
『カメレオン』は、加瀬あつし氏により週刊少年マガジンで連載されていたヤンキー漫画。主人公の矢沢栄作が総長を務めた「OZ(オズ)」や、京葉狂走連合の「爆妖鬼(ばくようき)」「極悪龍(ごくあくりゅう)」など伝説のチームが数多くあるものの、名前のインパクトの強さで言えば「松戸苦愛(まつどくらぶ)」がナンバーワンだろう。
「松戸苦愛」はチーム名が示す通り千葉・松戸周辺を本拠地とし、リーダーの松岡英治を中心に暴虐の限りを尽くすことから「死刑部隊」とも呼ばれる。「マツド苦愛」とも呼ばれ「マツド」の部分は英語の「MAD(狂った)」を想起させる。「苦愛」の「愛」の部分を「ラブ」と読ませるところも当て字として粋だ。
■『湘南爆走族』はもやはネタのオンパレード!?
『湘南爆走族』は吉田聡氏により少年KINGで連載されていたヤンキー漫画である。同作では、やられっ放しの雑魚チームにインパクトのある名称が多い。
「非故烈斗(ピコレット)」、「参保悪流(サンポール)」、「壱軸冠蝶(いちじくかんちょう)」、「魔路苦淋(マジックリン)」、「魔魔礼悶(ママレモン)」など、もはや笑いを取りに来ているとしか思えない作者・吉田聡氏の遊び心が感じられる。
また湘南爆走族と死闘を繰り広げた「武羅帝卑異流(ブラディヒール)」も当時の暴走族感溢れるカッコいい当て字である。周りのチーム名がネタのような当て字なので、逆に「湘南爆走族」というシンプルなチーム名が硬派なチームのイメージを引き立てている。