■『疾風伝説 特攻の拓』も難読チーム名が多数
『疾風伝説 特攻の拓』は佐木飛朗斗氏(原作)、所十三氏(作画)によって週刊少年マガジンで連載されていたヤンキー漫画。ヤンキー物の王道と言えるストーリーや独特の言い回しで人気を博した。
主人公の浅川拓が所属する「爆音小僧(ばくおんこぞう)」はチーム名のインパクトとしては普通だが、その他のチームの当て字がすごい。まず「朧童幽霊(ロードスペクター)」。「朧童」という字もおどろおどろしくてたまらないが、「幽霊」を「スペクター」と読ませるセンスよ。そして「麓沙亜鵺(ロクサーヌ)」。もはや、ふりがながないと読めないレベルだ。やはり読み方を間違えたら半殺しにされるのだろうか。
また。初見で笑ってしまったのが「妖艶童子(セクシー)」。いや、むしろ笑わせに来ているのか。しかし実際に会って笑ったらボコボコにされそうなチームではある。
■『東京卍リベンジャーズ』は「卍會」も味わい深い
『東京卍リベンジャーズ』は和久井健氏により週刊少年マガジンで連載されていたヤンキー漫画だ。「東京」と「リベンジャーズ」の間に「卍」が入ってるのに、読ませないところがすでにヤンキーっぽいネーミングである。
主人公の花垣武道が関わる「東京卍會(とうきょうまんじかい)」も「會」の部分がヤンキー味が出て良いのだが、敵対するチームも味わい深い。まずは「愛美愛主(メビウス)」。もはや「美」の部分しか普通に読めない。そして「愛美愛主」8代目総長である長内信高の大人になってからの冴えない人生が見ていて切ない。
続いて「芭流覇羅(バルハラ)」こちらは地方のスナックにあるような当て字感である。ちなみに、「バルハラ(ヴァルハラ)」とは北欧神話の最高神であるオーディンの宮殿のことで、勇敢に戦って死んだ戦士たちが迎え入れられると言われている。また「黒龍(ブラックドラゴン)」というチームもあるが、こちらは当て字的にはベタだろう。
気がつけば、『湘南爆走族』以外は『週刊少年マガジン』からの選出となってしまった。ヤンキー漫画と言えば少年マガジンと言えるだろう。現在、暴走族の数は減少し、ヤンキーは漫画の中のファンタジーになりつつあるが、この暴走族特有のユニークな「当て字文化」は令和になってもどこかで継承されていってほしいものだ。