©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会
『SPY×FAMILY』(C) 遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

 さまざまなニュースが駆けめぐった2022年も間もなく終わりを告げようとしている。振り返ってみると、今年はアニメがとにかく豊作の一年だったように感じる。

 特に声優を一新して36年ぶりのアニメ化をした『うる星やつら』や、原作終了から6年、アニメ終了から10年が経ってシリーズ最終章のアニメ化を果たした『BLEACH 千年血戦篇』、2021年1月に映画化の情報が初めて出てから大きな話題を集め続けた映画『THE FIRST SLAM DUNK』など、「満を持してのアニメ化」という作品が多かった。

 今年は秋以降に話題の作品がひしめいていたため、春夏の面白かったアニメの記憶が薄れてしまった方も多いのでは? 今回は、2022年に「バズった」アニメを頭から振り返り今年を締め括りたいと思う。

■「遊郭編」から「SPY×FAMILY」のヒットを繋げたジャンプアニメ

 まずは、2021年12月から2022年2月まで放送されていた『「鬼滅の刃」遊郭編』。今回は炭治郎らが音柱・宇髄天元とともに遊郭に潜入し上弦の陸を討伐するという内容で、「無限列車編」で炎柱の煉獄は亡くなってしまったが「遊郭編」では宇髄が生き残ったことを喜ぶ声や、上弦の陸の堕姫と妓夫太郎の想像を絶する悲しい過去に日本中が涙した。主題歌を担当したAimerは第73回紅白歌合戦に初出場。「遊郭編」オープニングの「残響散歌」を披露するので楽しみだ。

 2022年4月放送開始アニメでは、もともとアニメ好きでない人も夢中になったアーニャの登場する『SPY×FAMILY』がアニメ化。これはスパイのロイドと殺し屋のヨル、超能力者のアーニャがそれぞれの目的のためにかりそめの家族になるという物語で、芸能人の中にもかなりのファンが増えた。大久保佳代子が「バーニャ」としてアーニャのコスプレをした動画も注目を集めた。

 またOfficial髭男dismの歌うオープニング曲「ミックスナッツ」はそんな作品世界をそのものを表現している楽曲で、「かりそめの家族」を「ミックスナッツの中の豆」で表現した巧妙さが話題となった。『SPY×FAMILY』は2クール目が10月より放送され、こちらでは「新しい家族」が増えるという展開があった。今年は『SPY×FAMILY』まみれの1年だったとも言えるだろう。

 そして、イラストレーターのナガノ氏がSNSに投稿した漫画をきっかけに人気を集めた『ちいかわ』が『めざましテレビ』内にて初のアニメ化。短尺ながらかわいらしい世界観で多くの老若男女から大人気に。ちなみにアニメでは原作のダークな世界観は少し薄まっている。

 同作に登場するちいかわの友達・ハチワレの「○○…ってコト!?」というセリフはその汎用性の高さから皆が口ぶりをマネし、2022年のSNS流行語大賞にも輝いた。

 意外な「大穴枠」で話題を集めたのは『パリピ孔明』。これは現代の渋谷に転生した諸葛亮孔明が売れないシンガーソングライターのマネージャーとして彼女を手助けし成り上がるという物語で、主題歌の「チキチキバンバン」「気分上々↑↑」に皆が懐かしい気持ちになった。

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