■しずかのパパの言葉に後押しされた?「のび太の結婚前夜」

 2人の結婚をめぐるエピソードで有名なのが、コミックス25巻に収録されている「のび太の結婚前夜」だろう。その人気の高さからたびたび映像化もされており、記憶に新しい人も多いと思う。

 いつものことながら将来が不安になったのび太を安心させるため、2人の結婚式を「タイムマシン」で見に行こうとするドラえもん。しかし、到着したのは結婚式前日だった。

 せっかくきたんだから……と、結婚前夜のしずかを見にいくと、自分が結婚をしたら寂しくなるだろうと「パパ!あたし、およめに行くのやめる!!」と、父親に衝撃発言をするしずかがいた。自分を思いやる娘に対し、しずかが生まれてからどれだけ幸せだったかを語り、「少しぐらいさびしくても、思い出があたためてくれるさ」と、パパは優しい表情で諭す。

 そして「のび太くんを選んだ きみの判断は正しかったと思うよ」「あの青年は 人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね」と、のび太を高く評価していることを伝え、「かれなら、まちがいなくきみをしあわせにしてくれると、ぼくは信じているよ」と続けるのだ。

 本作屈指の名シーン。しずかのパパの言葉に思わず涙した人も多いだろう。そしてこの言葉がしずかの決意をより強固なものへ変えたと考えられ、2人の結婚を後押ししたと捉えることができる。

 

 本作において絶対的ヒロインであるしずかは、のび太の優しいところや、放っておけない危なっかしさに惹かれていた。モテモテの彼女が選んだのび太は、彼女の父親曰く「人間にとって一番大事なこと」を持っている人間で、そんな根本的な彼の魅力をしずかは理解し、支えたいと思ったのだろう。

 あらためてこの2人はとてもお似合いのカップルだと、筆者は思った次第だ。

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