『なんと孫六』『バツ&テリー』にも…“清く正しく”は二の次!? 自分が最強の“性格チョイ悪主人公投手”4選の画像
月刊少年マガジンコミックス『なんと孫六』第54巻(講談社)

 野球漫画は昔から王道ともいえるジャンルで、正々堂々とした主人公たちの汗と努力に感動を覚えるものだ。基本的には性格が良い投手が多い気がするが、なかには「自分が最強」と言わんばかりに自己中心的でワガママと、性格が悪い人物もいる。

 今回は“清く正しく”なんて二の次、性格チョイ悪の主人公投手たちを紹介していこう。

■「死にさらせー」と叫びながらど真ん中に投げ込む「甲斐孫六」

 まずは高校生ながらプロ野球どころかメジャーにも通用する、さだやす圭氏の『なんと孫六』(講談社)に登場する「甲斐孫六」を紹介したい。孫六は義理人情に厚い面もあるが、非常に困った男でもあり、野球をしていなければケンカをしているといっていいほどの問題児。高校野球界を追放されてもいる。

 とはいえ、類い稀なる野球のセンスを持っており、打撃は超一流。なおかつ、投手としては剛速球で打者をビビらせるほどの二刀流。ナックルのように揺れながら見える、彼の「孫六ボール」は、数々の打者から三振を築き上げた。

 投手として気合が入るとボールを握る指から蒸気が立ちこめ、「死にさらせー」と叫びながらど真ん中に孫六ボールを放り込む(死にそうなのは味方の捕手だったりする……)。投手のときには短気だが、打者のときは駆け引き上手という面を持っている。

 メジャーの打者も翻弄し、ヤクザや外国の殺し屋にも負けない孫六。「敵に回したくない」なんて周りからは言われているが、そもそも命を狙われるってどうなんだ……!?

■野球センス抜群でもタバコをやめない不良少年「久里武志」

 孫六に負けないくらいの問題児といえば、原作・七三太朗氏、作画・川三番地氏による『Dreams』(講談社)の「久里武志」だろう。高校入学時には茶髪でタバコを吸うだけでなく、すぐにケンカするなど超短気の不良少年で、中学時から退場処分や没収試合を受けていた。

 しかし、野球センスは抜群で球速160キロ近い速球に高速変化する「バクボール」を駆使し、打撃も超一流で足も速いと走攻守の三拍子が揃っている。

 そんな久里、実はかなりの努力家でもある。強くなるため、自分を追い込むトレーニングは欠かさない。素行は悪くとも野球に対する姿勢は本物であり、チームメイトへの助言も行うなど、チームリーダーとしての役割も果たしている。

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