■たったひと言の失言ですべてを失った男
最後は『機動戦士Zガンダム』に登場するジェリド・メサ。地球連邦軍の特殊部隊ティターンズに所属するMSパイロットで、階級は中尉。TVシリーズでは、『ガンダム』シリーズでも最多となる7機種のMSを乗り継いでいる。エリート意識・反スペースノイド思想は強いが、基本的に友情に厚く、卑劣な作戦を嫌がる性格だ。
ジェリドの不遇の始まりは第1話「黒いガンダム」での失言。主人公カミーユ・ビダンに対して「女の名前なのに、なんだ男か」と言ってしまったこと。カミーユと良くない関わりを持ってしまったばかりに、友人のカクリコン・カクーラーや宇宙での戦い方を教えてくれたライラ・ミラ・ライラ、恋人のマウアー・ファラオを失う。果ては、ジェリド自身も殺される。
セリフの言い方にトゲはあったものの、言ってしまえばただの感想。非常に人間臭いキャラクターだったが、まさかここまで人生を狂わされるとは、ジェリドが不憫で仕方ない。
『ガンダム』シリーズでは今回紹介したキャラクター以外にも、むごい仕打ちに遭うキャラクターが存在する。よく覚えていない方は、新たな見え方があるかもしれないので、それぞれの視点からアニメを見直してみてほしい。