■美男子がアニメで見せたまさかの私服がひどい…『美少女戦士セーラームーン』地場衛

 オリジナルの展開やちょっとした日常シーンの追加など、キャラクターたちの新たな一面を見ることができるのも、作品の「アニメ化」の嬉しい点である。だが一方で、アニメ版で披露されたファッションが、なんとも衝撃的だったキャラクターも存在している。

 1992年に『なかよし』(講談社)で連載され、のちに国民的人気アニメにもなった武内直子氏の『美少女戦士セーラームーン』にて、主人公・月野うさぎの恋人として登場する地場衛こと「まもちゃん」こそ、アニメ版で思わぬファッションセンスを見せつけた人物だ。

 地場は容姿端麗、高身長、頭脳明晰と非の打ち所のない男性であり、「タキシード仮面」としてセーラー戦士たちをサポートし、戦いの場でも活躍する重要なポジションのキャラクターである。

 そんな彼の私服姿は基本的にはスタイリッシュな着こなしが多いのだが、時折「あれ?」と目を疑ってしまうファッションも。有名なのが、シャツとチノパンの着合わせ。白地のタートルネックシャツをチノパンに「シャツイン」しているところまでは、まだ許容範囲だとしても、なぜか彼はこのシャツの袖を捲り上げ、ノースリーブにして着こなしている。

 さらに胸の部分にでかでかとあしらわれているのは、なぜか「蚊取り線香」のイラスト……。「なぜそれを選んだ!?」とツッコミを入れたくなる着合わせだ。

 普段がクールな立ち振る舞いだからこそ、視聴者に大きなインパクトを与えていたようだ。

 

 漫画やアニメのような「創作」の世界においても、ファッションはそのキャラクターの個性の一端を担う重要な要素である。奇抜であればあるほどインパクトは大きくなる一方で「なんだこの服は」と、読者・視聴者にまた別方向の驚きを与え、話題となっている。

 現実世界同様、キャラクターたちのファッションに現れるそれぞれの「色」に注目するのも一興かもしれない。

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