『ドラえもん』いろいろヤバい“二十二世紀に存在するデパート”が引き起こすトラブルの数々…配送ミスや不祥事の隠蔽もの画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』(小学館)第39巻

 長年にわたって多くのファンから愛されている藤子・F・不二雄氏の『ドラえもん』。毎週放送のアニメでお茶の間を賑わせているほか、2023年3月には劇場版最新作『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』の公開も控えている。

 本作には「どこでもドア」に「タケコプター」、「タイムマシン」など、さまざまな魅力あふれる“ひみつ道具”が登場する。ひみつ道具は二十二世紀にある「未来デパート」、「二十二世紀デパート」、「新世界デパート」といったデパートで販売されているようだが、実はこれらのデパート、かなりのトラブルメーカーでもあるのだ。

 そこで今回は、ドラえもんたちが利用する“二十二世紀に存在するデパート”のヤバいポイントについて、実際のエピソードも交えながら振り返ってみよう。

■とにかく配送ミスが多すぎる

 まず何より特筆すべきは、異常なまでの配送ミスの多さ。ドラえもんが注文していないひみつ道具が届いたことは数知れず、それをのび太が勝手に使ったせいでトラブルが起こることもしばしばである。メタ的に言えば、そういったミスがなければ始まらないストーリーも多いので、仕方ないといえば仕方ないのだが。

 なかでもとくにひどいのは「二十二世紀デパート」。コミックス37巻で「かぐやロボット」が届いた際、ドラえもんも「いつものことだけど、二十二世紀デパートはじつにいいかげんだ!!」と呆れていた。

 よその家の子になれる“ずるい道具”である「カッコータマゴ」や、人の家に上がりこみ放題で無銭旅行に使える「やどり木」、ほかにも生物のクローンをいともたやすく作り出せる「クローン培養機」といった、使い方次第で大変なことになる道具が届いてしまったケースも……。

 ドラえもんのところだけでもこうなのだから、全体で見るとどれだけ誤配送が発生しているのだろうか。いろんな事故や事件の原因となっていそうで、想像するとちょっとぞっとしてしまう。

■事故や不具合で販売中止になった商品は数知れず…

 たまに「そんな道具存在して大丈夫?」と心配になるようなひみつ道具を販売してしまうのも、二十二世紀に存在するデパートならでは。

 なかでも有名なのはコミックス8巻で「新世界デパート」が販売した「人間製造機」だろう。これは“人間を作る”という倫理観の欠如っぷりだけでもひどいうえ、なぜか作られた人間がミュータントになってしまうという欠陥付きである。

 軍が出てくるほどの騒ぎに発展したため、さすがにこの道具は販売中止&回収をしていたようだが、このエピソードではのび太がドラえもんに黙って人間を作ってしまい、危うく地球の危機が訪れるところだった……。ちなみにこのひみつ道具、リニューアル版アニメで登場したときには「架空動物製造機」という名称に変更されていたようだ。

 そのほかの発売中止になった道具としては、行き先が使用者の意図とずれてしまう「どこでもガス」や、コントロールがまったく利かない「空飛ぶうす手じゅうたん」、ゲームの世界での痛みを現実のものとして感じてしまう「なりきりチェス」などがある。

 道具のせいで死者が出てしまったケースもあり、「実際に販売する前にしっかりテストしたら?」と思わず呆れてしまう。未来の企業倫理はいったいどうなっているのだろうか。

 そもそも普通に販売されている道具のなかにも、「地球はかいばくだん」や「のろいのカメラ」をはじめとした危なそうなものが多々ある。しかも注文さえすれば誰でも購入して使用することができてしまうのだ……。恐ろしいことこの上ない。

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