■果てには不祥事の隠蔽まで!?

 さらに不祥事を起こすだけに留まらず、その事実を隠蔽したこともある(ただし正確に言えばデパート案件と明言されてはいない)。

 コミックス7巻「未来からの買いもの」というエピソードにて、のび太が“通心はん売のカタログ”を見ていたときのことだ。このカタログは“欲しい”と思っただけで商品がすぐ送られてくるという、その時点でヤバい代物なのだが、そうとは知らないのび太はどんどん商品を購入してしまう。購入金額は500万円以上にふくれ上がり、返品もできないどころか代金を払わなければ詐欺罪で捕まるという話に。

 しかし運良く(?)、のび太が購入した商品のひとつである“最新型自転車”が不良品だったということが発覚する。それは最高時速200キロを出せる高性能自転車なのだが、なんと走っている途中にバラバラになってしまう欠陥品でもあったのだ。

 その後、未来からやってきた関係者は、“わが社の信用にかかわりますので”と言って、のび太の購入したものすべてをタダにする代わり、商品の欠陥について口外しないよう口止めする。隠蔽のためとはいえ500万円をあっさり捨てるという判断から、相当儲かっていることがうかがえるが……。似たようなことが何度も行われているとすれば、いつかバレて大変なことになるだろう。

 

『ドラえもん』に登場するデパートはいろいろな意味で問題だらけ……なのだが、それが未来の世界では当たり前なのか、ほかにひみつ道具を売っている大手企業がないのか、経営が悪化する様子はまったくない。

 今度作品を楽しむときには、ツッコミどころ満載のデパートの存在にも注目してみてはいかがだろうか。

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