■『きまぐれオレンジ☆ロード』昭和独特の言い回し
『きまぐれオレンジ☆ロード』は、まつもと泉・作の漫画で、1984年から1987年にかけて週刊少年ジャンプで連載された。大人っぽいミステリアスな少女・鮎川まどかと、明るくて一途な女の子・檜山ひかるの間で揺れる優柔不断な主人公の春日恭介が織りなす三角関係のラブコメディーで、当時のティーンエイジャーの心を掴んだ。また、1987年から1988年にかけて日本テレビ系でアニメ化された。
当時は気づかなかったが、改めて「きまぐれオレンジ☆ロード」を読み返してみたところ、現在では使わないであろう「80年代独特の言い回し」が散見された。
まずは第1巻で鮎川まどかが春日恭介に言う「先コーだったらまだこないよ」。そして同巻で春日恭介が超能力で遠距離からバスケットボールをゴールに投げ入れるところを偶然見てしまった檜山ひかるの「あいつ………イ・カ・スじゃん!!」等。これらのフレーズを当時の空気を損なわずに現在のアニメでどう表現するのかは気になるところだ。
上記作品を読み返してみると、想像以上に現代とのギャップがありすぎて愕然とした。今の若者たちにはおそらく説明が必要なものも多々あることだろう。ただ昨今、カセットテープやレコードなどが物珍しさもあってか若者たちに人気らしいので、「うる星やつら」同様に「あの頃の空気感」は意外とすんなり受け入れられるかもしれない。