どうも、ヤマグチクエストです。過去に一度クリアしたはずなのに、意外と内容を覚えていないゲームってありますよね。
ところでみなさんは、『ドラゴンクエストビルダーズ』という作品をご存知でしょうか? 同作は、ファンからも人気が高い『ドラゴンクエスト』のアレフガルドを舞台にしたゲームでしたが、「ドラクエ+サンドボックス」という従来のRPGではない作品のため、ひょっとするとそこまで知名度は高くないのかもしれません。
これまで『ドラクエ』作品をすべてプレイしてきたので、私もこの作品をプレイしているはず……だったのですが、最近久しぶりにプレイしなおしたところ「こんなに暗いゲームだったっけ?」と衝撃を受けました。
ストーリー展開や結末などはほとんど覚えておらず、2回目なのにむしろ新鮮に楽しめました。そして改めてプレイした結果、『ビルダーズ』がとんでもない快作だったことに驚かされたのです。
ということで今回は、再プレイで衝撃を受けたビルダーズのなかでも、とくに印象に残った「やみのせんし」について書いていこうと思います。
■魔王の甘言に乗ってしまった世界線…
ビルダーズの世界は、りゅうおうの名セリフ「もし わしの みかたになれば せかいの はんぶんを やろう」という誘いに勇者が乗っかってしまった世界線。
当時、ドラクエで思わず「はい」を押してしまった人もいるでしょう。そして、ふっかつのじゅもんを伝えられたのちにゲームオーバーになってしまって唖然とした、なんて経験をお持ちなのではないでしょうか。スーファミ版の場合は夢オチに代わっているのですが、ファミコン版だと明確にバッドエンドとして描かれているのも有名な話です。
さて、そんな甘言に乗ってしまう者など本来「勇者」とは言えないのですが、ビルダーズの世界ではこの誘いに乗ってしまいます。
すると、世界は魔物による支配下に置かれ、人々はりゅうおうから物を作る力を奪われた結果、文化を持てなくなり、気力を失って、ついには人々同士での争いが始まり、世界は滅んでいきました。
そんなゲームです。あまりにも絶望的で暗すぎやしませんか。『ビルダーズ2』をプレイしたあとにやり直したので、その温度差により驚かされました。『2』が明るいとは言いませんが、少なくとも「全年齢対象」のゲームとは思えない絶望感。かなり面食らってしまったし、なぜこのことを忘れていたんだろう、と不思議に思いました。
その世界に、りゅうおうに奪われたはずの物を作る力を持った主人公が現れ、その力で世界を復興させていく、というお話なので、普段サンドボックスというジャンルをうまく楽しめない私でも「この絶望的な暗い世界が明るくなるまでやろう!」と、最後まで楽しめました。
その最終盤で登場するのが「やみのせんし」というボスキャラ。
この「やみのせんし」こそが、魔王の甘言に乗ってしまった「勇者」のなれの果てでした。