『アイシールド21』蛭魔や『クロサギ』黒崎高志郎も…口から先に生まれた? “凄まじい話術”で敵を翻弄していくキャラ3選の画像
『アイシールド21』第33巻 [DVD](バンダイビジュアル)

 漫画やアニメのキャラのなかには、身体能力は高くなくとも、話術の凄さが売りとなっているキャラがいる。それは彼らが仕掛ける“話術ありき”の作戦があったり、相手を騙すことでストーリーが動いていく場面も多いからなのだが、とにかく言葉巧みに相手を翻弄していくさまが圧巻なのだ。

 そこで今回は、口から先に生まれた?と聞きたくなるほど、凄まじい話術を持つキャラを厳選して紹介したい。

■巧みな話術で試合を動かす…『アイシールド21』蛭魔妖一

 まずは原作:稲垣理一郎氏、作画:村田雄介氏による『アイシールド21』(集英社)に登場する蛭魔妖一だ。「泥門デビルバッツ」主将の蛭魔は、アメフトの頂点である「クリスマスボウル(全国大会)」の制覇を目指していた。

 しかし、蛭魔が進学した高校にアメフト部は存在せず、仲間は栗田良寛だけ……そんな普通なら諦めてしまいそうな状況でも、彼は決して諦めない。高校生とは思えないほどの高度な頭脳の持ち主の蛭魔は、その後ありとあらゆる手段を使って部員を集めて「部」として成立させると、校長を脅して(!?)豪華な部室まで作らせてしまうのだ。

 そんな蛭魔の武器は、何も頭脳だけではない。巧みな話術で相手を怒らせゲーム中のミスを誘ったり、作戦を悟らせないようにしたりもする。しかも、悪口を言うことで精神的にカッとなるような相手を選んでもいる。

 話術から得点が生まれる印象的なシーンが、絶対王者に君臨する「神龍寺ナーガ」との対戦で見られた。「最後のプレーは観客を使う」と言った蛭魔は、観客に向かって応援の要求をする。「もっとだ!これじゃあ足んねえぞ糞観客共!!」などと煽り続けながらも、実は密かに作戦開始の合図を出していた蛭魔。これにはさすがの神龍寺ナーガの選手も反応できず、蛭魔のタッチダウンを許してしまうのだった。

 このように他人を追い詰める話術が巧みな蛭魔。しかしこれは、自身が身体能力では突出していないことを悟っているからなのかもしれない。知能と話術を取り入れて、勝利へ繋げる努力をしているのだ。

 作中では「悪魔のような奴」と呼ばれているが、彼のエキセントリックな話術やアメフトに対しての真剣さなどが評価され、人気投票では主人公・小早川瀬那を抜いて一位になるほど。愛されキャラであることは間違いないだろう。

■入念な下準備で詐欺師を次々と喰いものに…『クロサギ』黒崎高志郎

 次は、過去にも1度ドラマ化されており、今年10月21日からもリメイクテレビドラマ化、現在絶賛放映中の人気漫画『クロサギ』(原案:黒丸、夏原武)から、巧みな話術を持つ人物を紹介しよう。

 それが、“詐欺師を喰いものにする詐欺師”「クロサギ」である主人公の黒崎高志郎だ。彼が相手にする詐欺師は不動産や法律を扱う者、絵画や美容といった特殊な分野に精通する者もいるため、そのたび専門的な用語を習得し、相手に合わせてさまざまな職種になりきっていく。

 数千万円から数億と大金が動く案件が多いが、チャンスは少なく失敗が許されない。そのため、黒崎は事前に相手の職業の勉強をして計画を練り上げるのだ。

 相手の性格や趣味嗜好を調べ上げ、それに合わせた容姿や性格にまで仕上げる驚きの徹底ぶりはもちろん、ボロが出ないよう話す内容までもしっかりと落とし込んでおり、どんな質問にも答えられるようにしている。

 そんな勤勉さと巧みな話術があるからこそ、一般人を騙している詐欺師を逆に騙していく黒崎。あっと驚くような方法で詐欺師を次々と騙す手口は、漫画でもドラマでも痛快だ。

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