今年で連載開始から25年を迎えた、尾田栄一郎氏の『ONE PIECE(ワンピース)』。本作といえば、アツい男性たちの絆が見どころのひとつだが、実は女性同士の友情シーンも多く、そのたびに感動してしまうファンは筆者だけではないだろう。
そこでこの記事では、とくに感動した女同士の友情シーンを紹介したいと思う。
※以下には、コミック『ONE PIECE』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■三角関係(!?)をきっかけに始まったナミとローラの友情
まずは、ナミがスリラーバーク編で出会ったローラとの友情から。
ローラは元王下七武海のゲッコー・モリアの“カゲカゲの実”の能力によって影を奪われてしまい、ゾンビにその影を入れられてしまっていた。通称“求婚のローラ”と言われるほど、男性にすぐに求婚するクセがある彼女。ゾンビの姿になってまでも、四怪人の一人であるアブサロムに求婚を迫っていたのだが、しかし彼はナミに一目惚れをしてしまう。
ローラゾンビは嫉妬からナミを襲おうとするが、ナミは自分が実は“男”だと嘘をつき、むしろローラゾンビとアブサロム、二人の恋を応援したいと伝える。今までにはじめて自身の恋を後押ししてもらったローラゾンビは感動してむせび泣くのだが、このとき生まれたナミとローラの絆は思った以上に深かった。
その後、アブサロムに誘拐され、睡眠薬を飲まされた状態で誓いのキスをされそうになるナミ。間一髪、そこへ「助けに来たのよ!!マイフレンド!!」とローラゾンビが乱入するのだが、逆にアブサロムに攻撃されやられてしまう。友人が倒れる姿を見たナミは逃げるのをやめ、「よくもローラを」と、“サンダーチャージ”&“風速計”を発動し、アブサロムを倒すのだった。
ナミはボロボロのローラゾンビにお礼を言いつつ、実は“女”だったことを打ち明けて謝罪する。すると「……バカね 知ってるわよ」と、彼女は笑うのだ。
その後、影が戻ったローラ本体と再会した際には「また会えて嬉しい!!」と抱きつき、普段の守銭奴ぶりはどこへやら、惜しみなく財宝をあげるナミ。別れのシーンでは「ナミゾウと私は姉妹分だからね」そう言いながら、“ママ”の特別なビブルカードをナミに渡すローラ。(実はそのママこそ、四皇の1人のビッグ・マムなのだが……)そんな深い絆で結ばれた女同士の友情シーンは温かかった。
のちに、縁あってナミはローラの双子の姉・シフォンと出会うことに。一緒に入浴するシーンでは二人がローラの話をしていたりもしており、いつか三者が一緒に集まる日を見てみたいと思ったファンは筆者だけではないだろう。
■世界会議でルフィをきっかけに生まれた王国の姫たちの友情
マリージョア編で描かれた、世界政府加盟国が参加する世界会議(レヴェリー)の模様。そこでは、これまでルフィたちが訪れ救った各国の姫が参加していた。その際、出会ったのが、ネフェルタリ・ビビ、しらほし、レベッカだ。
はじめにビビとレベッカがルフィの話をきっかけに仲良くなるのだが、そこに「今 ルフィ様のお話していらっしゃいました?」と、参加するしらほし。
姫たちは国の代表としてこの会議に参加しているため、海賊との繋がりがあることが知られたら国際問題となってしまう。とくにビビはその点には慎重になっていたのだが、しかし「わたくし ルフィ様達に“恩”があって…」と屈託なく話しかけるしらほしに、思わず笑顔で「いっしょ!!」と、グッドサインで応えるビビとレベッカ。次のコマでは、3人が語り合っているような遠目からの様子が描かれた。
ちなみにこの会議では、サクラ王国(元ドラム王国)の国王ドルトン、Dr.くれはとビビの再会シーンも。そこでレベッカが「もしかしてドルトンさん? ルーシー好き?」と質問をすると、あたりを見回しつつ「大好きだ……」と答えるドルトンの姿にも嬉しくなってしまった。
思わぬ姫キャラたちの再登場と、そして、ルフィがきっかけで国際規模の友情が生まれたこのシーンに心が躍った読者も多いと思う。