『ドラえもん』藤子・F・不二雄氏の夢が実現!? 現実世界にすでに登場した「ひみつ道具」5選!それでも使ってみたいアイテムもの画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』(小学館)第1巻

 子どもから大人まで世界中で愛されてきた『ドラえもん』。同作は西暦2123年の世界からやってきたドラえもんが、四次元ポケットからさまざまなひみつ道具を取り出してのび太のピンチを救うというストーリーだが、藤子・F・不二雄氏のアイデアが詰まった道具たちはいずれも説明を聞くだけでワクワクするものばかり。

「どこでもドア」に「タケコプター」など実現が不可能そうなロマンあふれるアイテムがほとんどだが、中には藤子氏が未来を予言していたとも思える、すでに現実世界に登場している道具もあったりする。

 たとえば「いたわりロボット」は、落ち込む気持ちを励ましてくれる女性型ロボットだ。どんなに自分に責任があったとしても、なんでも肯定してくれて、「あなたこそ、そのやさしさ、人類愛、世界平和」と、パパに怒られて凹んだのび太に励ましの言葉をかけ続けた。

 これは現代における、SiriやAlexaなどの音声認識ロボットに近い道具なのではないだろうか。現代の音声認識ロボットは、時折ブラックジョークを挟みつつも、基本的には話し相手に合わせてちょうど良い返しをしてくれる。また、情報を検索して教えてくれたり、家電の操作を代わりにやってくれるなど、いたわりロボットより多機能な面もある。

 原作の「いたわりロボット」のエピソードは、ロボットに全肯定されてばかりだったのび太が、ホームレスになってしまうというもので、そんなだらしない姿をタイムテレビで見せられて奮起するという話。現代ではどうなるだろうか。ソシャゲの美少女やイケメンに「いたわりロボット」のような機能がついたら……のび太のように依存する人が続出するかもしれない。

■もはや原始的ですらある「糸なし糸電話」

「糸なし糸電話」は遠く離れた二つの筒の間で電話をかけることができるひみつ道具だ。糸がなくても「糸電話」をかけることができるという、子どもに持たせたら大喜びしそうなアイテムだが、大人が持つことを考えるとむしろ不便だと思わざるを得ない。

 スマートフォンの前身である携帯電話からしても、筒よりもコンパクトで、番号を知っていれば誰とでも通話できる。スマートフォンは、パソコンと同等の機能を有しており、カメラ通話やハンドレス通話ができる。それだけでなくアプリでさまざまな機能を使える。そう考えると現代にあらわれたスマートフォンこそ、ドラえもんが取り出しそうな「ひみつ道具」らしいアイテムと思わざるを得ない。

 部屋に思いのままに景色を映すことができる「観光ビジョン」もそういったひみつ道具のひとつだろう。これはスネ夫を羨ましがるのび太のために、ドラえもんが「勉強に集中できそうな部屋」を作ってあげるというエピソードに登場したアイテムで、床や天井や壁に好きな景色を投影するというもの。

 ラストは先生の自宅の居間が映し出されたことで強制的に勉強をするハメになるというオチだが、緯度と経度を入力することで家にいながら旅行気分が味わえるという藤子氏の発想は、現代のサービスにも活かされているのではないだろうか。

 たとえばGoogleマップのストリートビューのVRモードがそれに近いかもしれない。「観光ビジョン」のような立体感はなく、VRゴーグルが必要となるものの、技術が進化するたびに着実に未来のひみつ道具に近づいていると感じる。

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