■子どもたちの姿に全大人が涙した「友情のリレーだゾ」
「友情のリレーだゾ」のエピソードでは、ふたば幼稚園の運動会で神行動をとったしんのすけの姿が描かれている。
普段から弱気で小心者のマサオくんがアンカーで大役を任されるのだが、彼は途中で転んでしまう。恥ずかしさから立ち上がれずに、ついには泣き出してしまうマサオくん。
一方、しんのすけは吉永先生に「グラビア写真集」を目前に釣られ、1位を独走するという大健闘を見せていた。しかしマサオくんの姿が目に入ったしんのすけは、走るのを中断し彼のもとへ駆けつける。
マサオくんに「一緒に行こう」と声をかけるしんのすけだが、彼は「恥ずかしい」と走るのを拒否。そんなマサオくんの姿に敵チームの園児たちも駆けつけ、最終的にはみんな揃ってゴールするというこのエピソード。
作中でも大人たちを感動させた園児たちの行動は、胸に響くものがあると思う。とくに1位で独走状態だったにも関わらず、真っ先にマサオくんのもとへ駆けつけるしんのすけのこの行動は、語り継がれる名シーンの一つだろう。
『クレヨンしんちゃん』では5歳のしんのすけを中心に、園児たちの友情がたびたび描かれる。個性豊かな彼らは日々視聴者を楽しませてくれるが、今回紹介したような感動回では彼らの行動から学ぶことは多い。
子ども向けアニメではあるが、子どもから大人まで楽しませる魅力がある本作。そんなところが、国民的アニメ『クレヨンしんちゃん』の見どころなのではないかと感じた次第である。