『クレヨンしんちゃん』で描かれた“友達思い”なしんのすけの神行動3選「オラの心はエリートだゾ」など感動エピソードがズラリの画像
アクションコミックス『クレヨンしんちゃん 』第36巻 (双葉社)

クレヨンしんちゃん』は、臼井儀人さんによるコメディー漫画を原作にした国民的アニメ。5歳の幼稚園児・野原しんのすけを中心に、日常で巻き起こる出来事を面白おかしく描いたのが特徴の作品だ。

 本作では時々登場する“感動エピソード”も見どころの1つ。そのなかでも、しんのすけと幼稚園の友達たちとのエピソードは、大人もグッときてしまうものがあった。

 そこで今回は『クレヨンしんちゃん』で描かれた、友達思いなしんのすけの神行動を紹介していこう。

■子どもながらに“懐の深い”しんのすけ「オラの心はエリートだゾ」

 しんのすけの幼稚園の友達・風間トオルは、私立小学校への入学を目指す“エリート志向”。そのため、普段から“おふざけ”ばかりのしんのすけとは、どこか相容れない部分があるキャラクターだ。しかし、そんな2人の間には確かな絆があった。それが分かるエピソード「オラの心はエリートだゾ」で、しんのすけが見せた神行動を紹介しよう。

 ある日、同じく“エリート志向”の塾仲間と歩いていた風間くんは「うんちの被り物」をしたしんのすけと偶然出会う。塾仲間の前というのもあり、しんのすけに「友達なんかじゃない!」と言い放ち、ドッジボールに誘う彼を冷たくあしらうのだった。 

 翌日、塾で大切なテストに臨んだ風間くんだが、腹痛に襲われてしまう。夜遅くまで勉強に励んでいたときに夜食のプリンを食べ過ぎてしまい、お腹を壊してしまったのだ。

 当然、テストの結果は散々で、さらにそのことをなじってくる塾仲間の前で“おもらし”をしてしまう始末。そんな彼の情けない姿を見て、“エリート志向”の塾仲間は風間くんのもとから去っていく……。

 そこへ現れたのが、しんのすけと母親のみさえだった。風間くんの姿を見てすべてを悟ったみさえは自宅へ寄るように促し、彼をお風呂に入れて着替えさせる。

 絶望のなか温かい手を差し伸べてもらい、胸がいっぱいになる風間くん。そして彼は先日ひどい態度をとったことを謝罪し「明日ボクとドッジボールしてくれる?」と、提案する。しかし、しんのすけは意外にも「やだ」と拒否。関係が修復できないと思い傷つく風間くんに、しんのすけは「オラ、サッカーがいい」とお茶目な返しをして締めくくられていた。

 風間くんに冷たくあしらわれても、彼の失態を見ても、態度を変えないしんのすけ。その“懐の深い”対応は、5歳の子どもだと思えない神行動だったと思う。

■しんのすけの風間くんを思う気持ちに感動「風間くんとお別れだゾ」

「風間くんとお別れだゾ」にも、しんのすけが風間くんを思ってとった神行動があった。

 ある日突然父親の仕事の都合で、アメリカへ行くことになった風間くん。かねてから勉強していた英語力が活かされると強がっていたが、彼のために開催された「お別れ会」では感極まって涙する友人を見て寂しさが募っていく。

 しかししんのすけはお別れ会の雰囲気などお構いなしに、いつも通り風間くんを茶化してからかっていた。“最後だから喧嘩しないようにしよう”と堪えていた風間くんも、思わず激昂するという最悪の展開を迎えてしまう。

 だが、しんのすけは風間くんの怒った姿を見て、「いつもの風間くんに戻った」と喜びながら“今日の日はさよなら”を歌い、彼の門出を見送るのだった。

 感動的な別れをした彼らだが、その3日後にアメリカ行きは中止になるという『クレヨンしんちゃん』らしい結末で締めくくられるこのエピソード。

 風間くんが寂しさを隠し取り繕っている姿を見て、“いつもの風間くん”に戻すためにわざと茶化していたのかと思うと、なんとも彼らしい優しさを感じて思わずグッときてしまった。

  1. 1
  2. 2